自宅近所のラーメン屋さんに寄ろうと
ここまで帰ってきたが、
レンタルしていたDVDの返却期限が
今日までだったことに気付き、
ラーメン屋を通りすぎて
帰宅する。

バッグに
DVDが入った小さいバッグを詰め込み、
また部屋を出る。

LINEの通知に気付く。
雅からだった。


早歩きで
TS○○AYAまで行き、
DVDを返却すると
駅に向かう。


白っぽいジャケットの背中が見え、
すぐに
雅だとわかった。

『ごめん、またお待たせ』

『いいよ、いつものことだし(笑)
 もし亮と一緒だったら、三人でって思ったんだけど』 

ホームで
次にくる電車を待つ。

『残念。亮は今夜は実家』

『実家?珍しいな』

ホームに電車が入ってきた。
『彼の身辺、あわただしくなりそう』

『え?どういうこと?』

満員の車内に押し込まれ、
なぜか背中合わせになってしまった二人。

『この状態で出来る話じゃないかも(笑)』と
きょうこが言うと
『同感(笑)
 痴漢と間違われないように
 お行儀よくしてるだけで精一杯だし(笑)』



少しだけ我慢して、
開いたドアから
こぼれるようにホームに降りた。