12月16日(土) 横浜みなとみらいホール
指揮者:広上淳一
<ケルビーニ>歌劇アナクレオン序曲
(休憩)
<ベートーヴェン>交響曲9番合唱
ソプラノ:竹下みず穂 メゾ・ソプラノ:但馬由香
テノール:工藤和真 バリトン:池内響
合唱:東京音楽大学
横浜定期は、10月21日は体調不良で欠席、11月25日は大阪で梅若紀彰師の能『蝉丸』と重なってしまい断念。
なので、3ヶ月ぶり。
なんだか、電車に乗る時間を1時間も間違えてしまって、やけに早く会場に到着。仕方ないから、近くの喫茶でお茶したが、とにかく混雑していて嫌になる。この店は、場所柄いつも混むのだが、取り分けて年末の土曜日は混む。
あちこち混む。ヒト、ヒト、ヒト。
第1曲のケルビーニ作曲の曲は、そもそもケルビーニなる作曲家を名前も知らない。かつては、有名だったらしい。フランス革命の時代。
『第9』だけでは時間が持たないのか、9分という小品。
出だしが、不協的和音でビックリするけど、まあまあ。割とベートーヴェンに似た風かな。
そして『第9』。毎年だけど、毎年それぞれ個性はある。
まず、合唱団が入場。舞台裏の向こう客席を満杯にして。100人は超えるだろう。かつて、コロナの頃は3分の1くらいしかおらず、却って頑張っている合唱団に感動したこともあったが、今回は、フル出場かしら、大勢で大迫力。
誰もマスクをしていない。
第2楽章と第3楽章の間にソリスト入場。このタイミングか。
ソリスト席は、前方、指揮台の隣。以前の定位置だ。これも復活。
だとすると、3楽章と4楽章は続けて演奏するかと思いきや、一呼吸も二呼吸も開ける。
楽団も合唱団も、白とクロのモノトーンばかり。テノールとバリトンもそう。その中で、ソプラノは真黄色のロングドレス、隣に並ぶメゾソプラノは深紅の同じようなロングドレス。黄色と赤が並んで、目立つこと。却って気になってしまう。
ソリスト同士、服合わせはしないいんだろう。
広上の指揮ぶりは、好きだ。ミニタンク。
割とゆっくりテンポ。強弱のメリハリは効いていた。
悪くは無い。
毎回思うのだけど、毎年12月は、かなりの数の『第9』演奏会が開かれる。楽団員は、飽きないのだろうか。
プロだから手抜きということはないにしても、緊張感には欠けるような気がする。
我がファンの、フルーティスト真鍋恵子さんの姿は無い。どしたのかな。
東京音大は、もう40年以上の歴史で、日本フィルと『第9』の共演をしている。こちらは、4年から6年の期限付きだから、真剣さはあると思う。
但し、同窓会的な雰囲気が客席に溢れていて、かなりの数の先輩合唱団達が来ていて、終演後後輩たちに手を振ったりする姿が目立つ。これは善し悪し。
いくらベートーヴェンの『第9』と言ったって、指揮者がタクト下ろすまで「ブラボー」は聞きたくないなあ。
これも仲間内な感じ。
数日前に、ひょっこり「合唱終曲」のスコアを発見。自分がテナーだから、テナーのパートに赤丸を付けてあった。
思い出せば、30年くらい前かな、合唱を歌ってみるのも悪くは無いなと思い立ち、買ったのだった。多分同時にテナーパートのカセットテープも買ったんじゃなかろうか。
ここに来る事前に、サイトウキネンのCDを聞きながら、スコアを追ってみたけど、追いつけない。
会場を出られたのが丁度7時。良いタイミングの演奏会だったのでした。
そとは、ヒトひと人。12月年末のみなとみらいは、コロナ前より更に大混雑。
行きつけの中華で軽く飲み食いし、感傷に浸るつもりだったが、無理。ダメ。
バリトンが「オー フロインデ ニヒト ディーゼ テーネ」と始まるところは、ブルッときたけど、それ以外は、イマイチ集中出来ず。感動しなかった。
もはや、能楽じゃ無いと感動しないのか。