12月13日(水) 高津市民館
開口一番 前座 春風亭貫いち 『元犬』
一之輔 『噺家の夢』
一之輔 『加賀の千代』
(仲入)
一之輔 『火事息子』
チケットを買ったときは、新百合ヶ丘の麻生市民館だと信じていた。ずっと。
午前中に念のためにチケットを見たら、麻生市民館じゃあなくて高津市民館。新百合ヶ丘じゃ無くて、溝の口。
ここで、かなり落ち込んで、またまたサボろうかという悪心が出る。軽ウツ。
ま、しかし気を取り直して、早めに出かける。
高津市民館は、溝の口の駅から近いのだけど、高層の再開発ビルの上階にあって、しかも、エレベーターが少なく、入口も難しくて、ウロウロして、疲れる。
ここは、2018年12月に、それも同じ一之輔の独演会で来ているのだけど、その時は、まだ若かったからか、そんな疲労感の記憶は無い。あちこち歩き回っても、興味が高まるだけだった記憶。
溝の口は、駅前再開発される前迄、30年近く前は、良い感じの裏町で、焼き鳥屋があったりして、好きだったのが、まったく別の都市に生まれ変わっていたのだ。
それを5年前は楽しんだのに、今は、疲労感ばかり。
やっと開場になって入ると、来年の笑点カレンダー、一之輔サイン入りを販売しておる。
あれまあ、一之輔は最近笑点に馴染んできていて不安だったのが、当たったか、とまたまた疲労感。そうか、一之輔は笑点に染まってしまったか、と。
開口一番の前座。動物ネタの小咄を3つ喋った後、白い犬がお詣りの結果ヒトになるという噺。
ああ、『元犬』ね。『白犬』じゃ無かったかしら、などと考えている内に、ぐっすり寝落ち。つまらない。ダメだなあ。
一之輔登場。まずカレンダーの話から。
日本テレビから、笑点カレンダーを200枚送ってきて、ご自由にお使いくださいと言われたと。しかも、袋に丸めて入っておらず、ペロッとしたまま。ご自由に挙げても良いということなんだけど、落語関係者で貰ってくれるヒトはいない。それ以外の知り合いにあげると行っても、200人は居ないだろう。
しかも、世間ではどこでも有料販売している。街行くヒトに無料配布したら、それはマズイ。
で、仕方なく、独演会の時に、何本か用意してきて、売っているのだと。特売にして。
済みません、持って帰るの嫌なんで、50本だけ用意したので、買って下さい、まだ家に100枚残っているんです。
ああ、そういうことね。了解しました。
よかった、笑点に取り入れられているわけでは無さそうだ。
この辺りから、躁転。
神戸のビジネスホテルに泊まったときの失敗談をマクラにして、『噺家の夢』。
初めて聴くネタ。恐ろしく貨幣価値の異なる地域に紛れ込んだとある噺家が、大富豪になってしまうのだが、夢でした、という噺。
ま、面白かったです。笑いました。爆笑じゃ無いけど。
ふ~ん。年末に来て夢の噺ね。じゃ最後はやはり『芝浜』かな、なんて。
引き続いては『加賀の千代』。一之輔は引っ込まずに2席目に突入する。これは、2日前に柳家三三で聴いたばかりのネタ。
徹子の部屋に出演したときの話をマクラにした。
マクラと本題の繋がりが良く解らないが、とんでもない話に飛ぶということから繋がるのか。けど、面白いから良いのだ。三三より面白かったかな。
この辺りで気分爽快。大笑い。
カレンダーは、50本完売だそうで。良かったね。ワタクシは買わなかった。
夢、年末の借金と来たから、やはりトリは『芝浜』かなと思ったら、質屋の倉、町火消しとか定火消、臥煙の話になる。
ふむ、違うな。『火事息子』か。
最初に、一之輔はメモを取りながら聞いている客がいてねえ、そんなんじゃ無いですよ落語は、なんて喋っていたが、済みません、メモ取ってます。でもその理由は、ボケ防止というか、認知症防止、思い出すことが頭脳には宜しいのだそうで、今喋っているネタが、題名なんだっけ、とか、どんな噺になるのかしら、とか聞きながら考え、メモし、出来ればお題名を思い出すようにしているんです。
この噺も、『鼠穴』かしら、と思ったりして、メモに書いたりしていて、最終的に『火事息子』に至るのです。
ブログに書く必要から、気持ちをメモしておくこともあります。
そういう訳ですから、ご容赦ください。結構、前の方に座っていると、高座から客席見えるんだってね。
親子の情愛の人情噺。爆笑系そのモノではないけど、所々、笑わせてくれる。
気持ちの良い笑いだ。
一之輔巧いなあ。頑張ってきて良かったなあ。
ぴったり20:30に終了する。高層階の会場で、エレベータが少ないからお帰りが混んで大変でしょう、予定時間に終わらせなければと、初めに喋っていた。
この辺の時間配分も出来る。プロですねえ。
今年の落語はこれでおしまい。
後は、まだ日フィルの『第9』、能楽が残っている。お稽古もあるし、発表会もある。忘年会もある。年末には金沢へ。
まだまだの年末。
来年の干支は「辰」。