12月9日(土) 川崎能楽堂
一調 『玉鬘』
シテ:角当直隆 小鼓:観世新九郎
狂言 『佐渡狐』 (和泉流 三宅家)
シテ(奏者)三宅右近 アド(佐渡の百姓)三宅右矩 アド(越後の百姓)三宅近成
能 『景清』 (観世流 梅若会)
シテ(悪七兵衛景清)角当行雄 ツレ(人丸)角当美織 トモ(従者)坂口貴信
ワキ(里人)大日方寛
笛:一噌隆之 小鼓:観世新九郎 大鼓:大倉慶乃助 地頭:山崎正道
例年の川崎市定期能。12月には、梅若会の角当家が担当している。3回連続で出席。
あそこは、見所が狭い上に、舞台と近いので、迫力があるというか、なんというか。
今回は、ネットで座席の指定までが出来ると知ったので、1部も2部も正面席最前列を確保。どうだ。
地謡は3人2列しか座れないけど、十分な迫力でした。
川崎駅から能楽堂に歩いていると、後ろから、こんにちは。振り替えると、前に小鼓を習っていたO先生。今日は、小鼓は観世新九郎先生で、そのお手伝いなのだと。お久しぶりです。止めてしまってご迷惑をおかけしました、ゴメンナサイと心中で。
一調『玉鬘』。元々のチラシ段階では、梅若楼雪であったが、体調不良入院中により、角当直隆に。
入院もう1ヶ月くらいかな。長いな。
『玉鬘』は題名は知っていて、源氏物語が本説なのだけど、詞章はまったく知らないので、どのシーンなのかも解らないという不勉強。
狂言『佐渡狐』、何度も。
こういう、能と組む狂言は、誰が演目を決めるのだろうか。能のシテ役が、この日のお狂言は、どこに依頼しようかと決めるのではあろうけど、曲目はお任せではないだろうか。勿論、その日のテーマで、是非この曲をと依頼することもあるだろけど、特別の場合を除いて、お狂言のお家にお任せではないだろか。
とすると、『佐渡狐』という極めてありふれた曲を選択する理由は何か。
な~んて、ワタクシがかなり観ていて、飽き始めているからなのであって、初めて能楽に接する人々にとっては、新鮮なのだろうし、わかりやすく面白いはず。
役者はもっと数をこなしているだろうけど、決して手を抜かないのだから、素晴らしい。
佐渡の百姓から、シテ奏者が賄賂=袖の下を受け取るシーンが、三宅右近さん、さらっと演じていた。
能『景清』。4回目。が、初めて観たお能がこれだったし、素敵な彦根城の能舞台で観たのもこれだったので、割と思い入れがある。
前回の3回目は、今年の5月で、今回と同じく、シテ景清が角当行雄、ツレが子方で角当美織ちゃん10歳だったので、主要な配役は同じ。
ツレの人丸は、子方にする必要は無かろうが、それこそ配役だろうな。
我が孫と同年齢なので、気にはなる。子方としては上手でした。が、どうしても声が高めだし、謡が早い。
親に会いたさに、はるばる鎌倉から日向まで来るのだから、もうちょっと、やっと、折角という気持ちが出ないと、なんて偉そうに贅沢な。
景清と人丸は、親子なのです。爺と孫ではない。
梅若本の謡本を熟読していたので、良かった。角当行雄さん、当たり役かもね。勿論寝ませんでした。感激もしないけど。
『景清』は、静の能。
ところで、『佐渡狐』でも、腰のものを「かけろく」にする。他方「もくろく」というコトバもあって、「ろく」は同じかと思っていたが、「かけろく」は賭け「禄」、「もくろく」は目「録」でした。
広辞苑に寄れば、「禄」は天から与えられるもの、「録」は書き記すこと、ある。
なるほど・・。勉強になるね。