11月24日(金)

京都・宇治・大阪の旅の2日目。

 

泊まったホテルが、四条通に近い、歴史あるらしいお寺の上階がホテルになっているとこ。

 

朝のおつとめに有料で参加できる。500円。まあ朝食前に、住職の読経を聞き、焼香を順にするだけなんだけど、悪い経験ではない。参加者の半分くらい外国人だけど、アジア系で白人は少ない。

 

京阪で宇治へ。

茶屋「通園」脇を通って、宇治橋を東詰から渡り、JR宇治駅方面に歩くと、平等院目当ての観光客でいっぱい。観光バスもゾクゾクと。

皆さん、宇治といえば平等院で、こちとらは、宇治橋の合戦であって、茶屋「通円」なのに。

 

平等院に行くと、まず鳳凰堂の拝観時間の予約を取る。一時間半待ち。

その待ち時間で、鳳凰堂周りを散策、見学。

 

能楽中毒者としては、なんと言っても源三位頼政の割腹の場所とされる、扇之芝へ。

おお!頼政だ、と感動。能『頼政』なのだ。

都から以仁王とともに落ちて、宇治川の右岸から逃げてきて、左岸に渡り、ここで、宇治川を渡ってきた平知盛軍と戦う、奮戦空しく、扇形の芝の上で、割腹したのだ。正しく現地かどうかは解らないが、そういう地なのだ。

謡蹟。

あまり周りに人はいなかったけど、写真を撮りまくっていたら、寄ってきた。

そうなのですよ、ここが頼政自刃の場所なのですよ。解りますか。

 

平家物語でもあります。橋合戦。

知盛軍は、以仁王、三井寺の大衆、頼政軍が、宇治橋の橋板を落としていたのに気付かずに、あまた川に落ちていくが、なんとか突破して左岸に至ることが出来たのだった。

現在、この橋は勿論ない。コンクリート製の無機質な橋ではある。が、そういう歴史的合戦の橋だと思うと、深く感動する。

 

宝物館の「鳳翔館」を見学して、頼政の墓。ここは大したことは無い。

 

宇治観光のメインである「鳳凰堂」。まあ素晴らしいものではある。10円玉の中央。

阿弥陀如来座像、雲中供養菩薩52躯、9通りの来迎を描く壁扉画。9品なのだ。

ガイドの女性も、まあまあのガイド。

 

南口から出て、ワタクシ的にはメインに近い、宇治川の中島へ。

ここです、ここです。興奮する自称高等遊民。

源頼朝の命により、都を目指す大手軍は、びわ湖から瀬田の唐橋方面へ。搦め手軍の義経軍は、伊勢方面から宇治川に至って、左岸から渡って、都を目指し、右岸を守る義仲軍と戦う。

そう、先陣争い。

中之島の橋から徒渉地点らしきものを見つめると、そう、そう、ここから先陣争いで、馬を連ねて、渡ったのだ。

 

関東武者が都を目指すルートは、瀬田の唐橋を渡るか、宇治橋を渡るか。

宇治橋を渡ろうとすると、左岸側から右岸へ、となる。

守る義仲軍は、右岸に陣を張る。

先ほどの、都から逃げてきた以仁王や源三位頼政は、右岸から渡って左岸に陣をはる。

ここは交通と戦の要衝なのだ。そこに立ち、全体の地形を観ると、感動すら覚える。

 

ずっと先の話になるが、関ヶ原の戦は、大手軍のコースに当たることになる。

 

ここで、宇治橋東詰の茶屋「通園」へ。食事時だったけど、抹茶と団子、羊羹。

こここそ大混雑と思いきや、空いていて、並ばずに入店できた。

皆さん、大丈夫ですか。ここが、あの名作狂言『通園』の店ですよ。謡曲『頼政』の完全パロディ。

簡単に、橋を渡って平等院に行かないでくださいと、心の中で叫ぶ。

こっちは、念願の『通園』で休憩できたことで、興奮し満足。

 

京阪宇治駅から石清水八幡宮へ。

宇佐八幡から勧請したらしく、三大八幡なのだと。宇佐をトップとして、鎌倉と、ここ岩清水。全部制覇したことになる。

今回の旅を計画中に気付いて、大阪への途中に寄ろうと。

 

石清水八幡宮駅からケーブルで、男山へ直登。

丁度お仕舞いを習っている『夕顔』の冒頭のワキ語りで、豊後の僧が都に上るときに、「男山」に参るとあるのがここ。

京阪乗車中や、ケーブルから地形を観ると、淀川などの沼地、平地の中に、忽然と男山が現れて、全体を一望できる。

こここそ、要衝の地点になるはずだ。

立派な八幡宮。やはり、鳩の八の字なのだ。

お詣りして、どこか茶屋などで、昼食と計画したけど、閉鎖していて、アウト。

 

急坂の表参道を、下る。昔はここを歩いて登ってお詣りしたのだろう。今は階段が整備されているものの、下るだけで、年寄りにはきつい。

途中、往時を偲ぶような石垣などが点在する。昔は、確かに、中心的な八幡宮だったのでしょう。

 

かなりフラフラになって降りてきて、眼に入った茶店風に入ると、「やわた走井餅」の本舗。「通園」に近いお店なのでした。

お腹が空いていたので、餅のおやつではなくて、うどんを食す。付いてきた走井餅は、お土産でお持ち帰り。

 

様々歴史を堪能した1日。昨日もそうだけど、よく歩いた。