11月23日(木・祝)
京都・宇治・大阪の旅 初日
前から乗りたかったびわ湖疎水船の予約が取れて、朝早くから新幹線に乗り、三井寺そばの、疎水船乗り場へ。
びわ湖疎水は、明治初期、びわ湖の水を京都に流して、水の確保を図った一大事業。灌漑事業、舟運、発電、飲料水。
舟運はやがて不必要になり、舟の上下はなくなったが、昭和になって、観光船が就航し、京都と、びわ湖大津を結ぶ、上下線が春と秋のシーズンに乗ることが出来る。
春の桜と秋の紅葉。その予約がなかなか大変で、小さな舟で人数も限られていて、数ヶ月前から予約を取らないとならぬ。その日に行っても乗れないのだ。
びわ湖疎水は、滋賀県大津の三井寺そばの取水口から、京都の蹴上げまで。南禅寺の水路閣まで。この水流で、南禅寺そばの別荘郡や庭園が、枯山水ではなくて、水をたたえて利用したものになっている。
三井寺駅に着いたのが、疎水船予約までちょっと時間が合ったので、長等山圓城寺(通称三井寺)も、ちょこっと見学。前に来たことがあるから、その確認と時間つぶし。予定外。
三井の晩鐘を撞こうと思ったが、前来たときは300円だったのが、今回は御朱印付きで一撞き800円になっていたので、諦める。御朱印集めてないし、800円はあまりに高かろう。
降りてきて、出入り口近くの爺婆が営業している蕎麦屋で昼食。三井寺切符売り場のおばちゃんの推薦。三井寺内の茶屋より美味しいよ、と。
集合して、様々な注意がしつこいくらいの後、ライフジャケットを着用して、乗船。定員は14名かな。
トンネルを計4箇所通り、沿線の景色を楽しみ、沿線の散歩道をそぞろ歩く方々と手を振って交流していく。トンネルの出口と入口(西側と東側)には扁額があって、明治の高官が揮毫した文字が彫られている。陰と陽。
縦杭工法の孔も見える。
インクラインになるまでの高低差4m、全長2436m。ゆったり見えるけど、かなりの水流。
気温差も大きい。
船頭=運転手が後ろにいて、前にガイドのお兄ちゃんがいて喋り続けるのだけど、最近の若者のしゃべりは早くて聞き取れないし、マニュアル通りに、歴史を理解せずに自分のコトバで喋らないから、大したことは無い。
沿線で観られる紅葉・黄葉は、今年の天候異変のためか、今ひとつ。
しかし、念願でもあったし、良かった経験。また春に来るかな、とか思ったりして。
蹴上げで下ろされて、インクライン道を歩いて、南禅寺入り口まで。若い観光客が多くて、着方をまったく知らない若い女子が着物を着て、大股で闊歩していく。嗚呼。
夕食まで時間があったので、建長寺へ。これも行ったことがないのだ。歩いた道は、なるべく裏通りで、これはなかなかの情緒。
一力茶屋の角を曲がっていく。ここは外国人観光客ばかり。
建長寺も、名寺であって、枯山水の庭は見応えがあるのだけど、外国人観光客ばかりで、ゆったりと庭を愛でて、来し方行く末など思いを馳せる余裕はない。観光寺になっちゃってるし。
最近描かれたという双龍の天井図は素晴らしい。これは、見応えあり。
早々に出て、近くの六波羅蜜寺へ。ここも行ったことないのだ。
有名な、空也上人立像を、初めて観る。そのほかにも重要文化財の仏像がいくつかあるのだけど、みな、本堂とは別の、文化財収蔵庫(令和館)に、ガラス越しに収められていて、昔のような本堂などでの安置ではなく、美術品、文化財の別個展示。
仕方ないのだけど、歴史などを身近に感じられるお寺や仏像ではない。
京都には、良いお寺が沢山ありすぎて、見学者も駆け足で、次々と。
歴史はまったく感じられない。
仕方ないのだけどね。寺の一つでも、田舎にぽつんとあったら、良いのになどと勝手なことを思う。