10月28日(土) 鎌倉能舞台
解説 「能の和歌」 中森貫太
狂言 『二人大名』 (和泉流 野村万作の会)
シテ(大名)野村裕基 アド(大名)岡聡史 アド(通りの者)内藤連
(休憩)
能 『俊成忠度』 (観世流 九皐会)
シテ(平忠度)小島英明 ツレ(藤原俊成)遠藤喜久
トモ(俊成の従者)鈴木敬吾 ワキ(岡部六彌太)村瀬慧
笛:一噌隆之 小鼓:鳥山直也 大鼓:柿原光博 地頭:中森貫太
季節も良くなってきて、久しぶりに鎌倉能舞台。序でに、散策もしようと。
鎌倉能舞台は、以前とは違って、椅子席ばかりになっていた。座りやすいのだけど、ワタクシは座布団の方が好きだった。しかも、殆どの席が指定席になっていて、自由席を買っていったら、正面後方の2列と、脇の少しだけ。
結構客が入っていたのは、まあ良いことなんでしょう。ガラガラだったこともあったから。
解説は、中森貫太さんで、まあこんなモン。
狂言『二人大名』。裕基さんは、この日の朝の部でも『仏師』のシテを勤めていて、他の役者も共通なので、連続なのだ。
鎌倉能舞台は、ホントに狭くて、大柄の裕基さんや他の若い役者が、太刀を振り回したり、起き上がり小坊師をすると、狭さを余計に感じる。
太刀を取られて「危ないわいやい」となるのだが、ホントに危ない。
能『俊成忠度』は2回目かな。
平忠度が、藤原俊成に、和歌を載せて貰うために戦地から戻る話。『忠度』と基本は同じだけど、和歌が中心のまったく別の曲。
40分程度の小作品。2022年5月の前の時のブログにも書いてあった。
今回は、役者がかなり当日に交替した。
シテ平忠度が、奥川恒治さんから小島英明さんへ。トモ俊成の従者が、奥川恒成さんから鈴木敬吾さんへ。小鼓が幸正昭さんから鳥山直也さんへ、流派も越えて交替。
それでも出来てしまうところが、プロの能楽師たち。
シテ役の小島英明さんは、声も出ていて、動きも決まっていた。突然の交替とは思えない。
ただ、サシコミ、サシなどの時の右手首が、真っ直ぐではなくてやや屈んでいるのが気になるのは、スッと伸びた紀彰先生の舞で指導されているからなのでしょう。ありがたいことに、細かなところまで指導していただいているから。
舞台の狭さもあって、鎌倉能舞台では、地謡が4名1列。お腹にどっと来る迫力が出てこない。仕方なし。
やはり、本格的な舞台の、本格的なお能が良いなあ。
質疑応答の貫太さん。今回は、装束に関する質問が多く、結構な経験者の見所が多かったんだろう。装束などを作成する職人不足が問題だと。
鎌倉能舞台が始まる前に、まず江ノ電極楽寺駅で降り立ち、近くの極楽寺詣り。狂言『鐘の音』で出てくる鐘はないのだ。
歩いて、成就院、虚空蔵堂、六地蔵、美味しいパン屋で食い歩きするようなパンを買って、かじりながら移動。
御霊神社、長谷寺。何度も来ている長谷寺。何度観ても大観音菩薩は凄い。
光則寺は、ちょっと外れているから、観光客も少なく、外国人客はいないから、落ち着く。
鎌倉能舞台で能楽鑑賞。
終了後、ちょっと散策。和田塚なるものを見学。和田合戦の碑。ひっそりとしていて、良い感じ。
夕食は予約した鰻屋「つるや」。ホントは北鎌倉の「鉢木」を予約したかったのだけど、「鉢木」夕食は、2日前の完全予約制になってしまったようで、断られてしまった。
でも「つるや」の鰻も好きなんだ。落ち着いたお店で、鎌倉文士のご愛用。
鎌倉駅まで歩く途中のスペインワインバーでちょっと追加。
良いご気分で帰宅。2万歩弱。良いお散歩。鎌倉能舞台に来るときは、必ず、散策と夕飯セットしています。