10月11日(水) 東京国立近代美術館
地下鉄の竹橋駅から徒歩。何年か前に、上野の国立博物館から、臨時バスのハシゴ展覧会で来たことがあるだけ。焼き物だったかな、近代博物館では当代の楽家の焼き物だった。
竹橋からは徒歩数分だけど、北の丸公園の脇を通って、江戸城の堀を越えて、行く。これがなかなかに宜しい。
都内には、有数の美術館やら博物館やらがあって、あれも行ってみたいこれも、となるのだけど、なかなか足が向かない。
我が家から2時間近くかかるというのも、面倒ではあるが、そんなことは地方にお住まいの方からすればなんちゅうことない距離のはず。
秋の芸術シーズン。たまたま棟方志功展が開催されている(10月6日(金)~12月3日(日)まで)と知り、わりと好きな芸術家なので、行く。
生誕120年なのだそう。
11時頃到着して、3時間ほどかけて、たっぷりじっくり。
プロローグ出発地・青森の章から、第1章東京の青森人、第2章暮らし・信仰・風土ー富山・福光、第3章東京/
青森の国際人、第4章生き続けるムナカタ・イメージ、と分類展示されていて、要するに若者時代から最後まで。
1975年他界なので、生きている棟方志功も見ているよね。
あの、度厚い丸眼鏡をかけて、板に顔をこする付けるようにして、ザクザクと彫り込んでいく姿。
棟方作品は、結構広まっていて、本の表紙やらお店の手提げ袋などにも使われている。現役時代よく通っていたトンカツ屋の勝列庵本店に入ると、階段などに作品が掛かっているし、お土産用の手提げ袋にも作品が印刷されていて、身近でした。
だから現代美術家。芸術は爆発だ、の岡本太郎と並ぶイメージだけど、棟方志功は、東北・青森の土着と仏教感に彩られている民芸芸術家のイメージ。
それは間違っていないのだけど、結構海外に出かけていて、国際的な芸術家でもあったし、エンターテイメントな芸術家でもあったそう。
色々作品を見て回ったけど、仏教画に惹かれる。解読できないコトバも彫り込んでいるのも特徴的。読めたら良いのに。
般若心経を彫り込んだ作品もあった。これは進行方向に沿って見ていくと、最後から並んでいるのはどういう訳かな。
能『善知鳥』を題材にしたモノもあった。
青森に「棟方志功記念館」があって、2024年3月末で閉館になる由。収蔵作品は、青森県立美術館に別棟を建てて移転されるらしいが、閉館前に行かねばならぬ。
序でに、青森の外ヶ浜の善知鳥神社にも行かねばならぬ。謡蹟。浅虫温泉に浸かれば良い旅になるのでは。
たっぷり観た後、25分以上歩いて、懐かしの、神田まつや。
ちょっと待ったが、入店できて、つまみと盛りそば・花巻、とぬる燗。
外国の方が日本人連れ無しで結構いらしていて、英語の写真付きメニューなど開いている。時代の変化。
店員のおばちゃんも心得ていて、英語は出来ないけど、一生懸命説明している。蕎麦味噌。そば湯。
ポロポロと常連お爺ちゃんもいて、ひっそりと酒を飲み、蕎麦を手繰っている。
こっちが良いねえ。ワレもその仲間になれているか。ぬる燗2本でもう飲めない。