11月の、鎌倉市民文化祭参加「謡曲と仕舞のつどい」への出演を巡って、初めて申し合わせなるモノに参加したときのことは、先にブログで書きました。
その時に謡って頂いたお素人、といってもベテランですが、の地謡を録音してきて、それを元にして紀彰先生に舞を修正して頂きました。
『采女』のキリです。
本来の申し合わせの目的は、シテ(舞手)に合わせて地謡を調整するということなのでしょうが、ワタクシのようなド素人は、とてもとても、ベテランの地頭などに注文など出来やしない。
地謡に合わせて、舞うしかないのです。
そこで、その録音を基にして、紀彰先生に仕舞のご指導をしていただきました。
同じ観世流なのですが、スピードや、持つ持たない、などかなり異なるのです。梅若との違いもありました。
申し合わせの時は気付かなかった。
さすが紀彰先生、1回録音を聞いただけで、特徴をつかみ、じゃあ、こういう舞にしましょう、と。
とにかくゆっくりなのです。拍を踏む箇所でも、べたっと謡うのです。詞章の節の通り。
だから、ここは、地謡を気にせず、詞章がズレなければ、自分のタイミングで踏んで良いとか。ここは取り分けゆっくり謡うから、ゆっくりゆっくり、一つひとつの型をしっかりして、舞えば良いのだ、と。
そうすれば、上手に見える、と。
とにかく、詞章を頭にたたき込むこと、と。
そういうことで、申し合わせ後、2回紀彰先生にお稽古していただきました。
正直言って、紀彰先生の地謡の方が舞いやすいけど、録音地謡でもほぼ満足するような舞が出来るようになりました。
これで、他人にお目にかけても、紀彰先生の弟子であることは知れているので、紀彰先生のお顔を潰さずに済むか、と密かに喜んでいます。
いつもお稽古しているのとは別の地謡の場合は、申し合わせというのは効果があるのですね。
それだけじゃあなくて、いつもお稽古していただいている地謡の特徴も理解できました。特別効果。
お稽古している方、同じ流派の中でも、師匠によって違う部分もあるので、他の玄人の会に出席してみるのも良いかも。勿論、自分の師匠のお許しを得てからですよ。
謡も仕舞も同じだと思います。
奥が深い。