8月27日(日) 相模女子大グリーンホール・大ホール

挨拶 相模原市長 相模女子大学長

能楽解説 松山隆雄 山本則重 松山隆之

仕舞 『笠ノ段』 梅若紀彰

   『鐘ノ段』 小田切康陽

   『枕ノ段』 梅若長左衛門

狂言『附子』 (大蔵流 山本東次郎家)

 シテ(主)山本泰太郎 アド(太郎冠者)山本則重 アド(次郎冠者)山本則秀

(休憩)

能 『土蜘』 (観世流 梅若会)

 シテ(怪僧 土蜘ノ精)松山隆之 ツレ(源頼光)松山隆雄 ツレ(胡蝶)伶以野陽子

 トモ(頼光の従者・太刀持ち)小田切亮磨

 ワキ(独武者)村瀬慧 アイ(独武者の下人)山本則孝

 笛:藤田貴寬 小鼓:田邊恭資 大鼓:佃良太郎 太鼓:大川典良

 地頭:角当行雄 副地頭:梅若紀彰

 

相模原薪能は、第35回だそうで、以前は相模女子大のグランドでやっていたが、雨の場合の代替施設の困難や、コロナもあって、今回は、初めから屋内の企画。

でも継続上”薪能”と銘打たねばならず、舞台両端に薪の柱が立ててあるけど、風を送って火色のモノをひらひらさせるだけ。

 

入場料は前方が500円と安く、後方は無料であって、これは相模原市や諸団体の寄付に寄るところが多く、従って市長挨拶などつまらないモノを聞かなくちゃならない。

 

能楽解説は、ベテランの昔ながらの能楽師松山隆雄さんには無理。創設者だから仕方ないが、若手の、松山隆之さんや山本則重さんの方が、ずっとわかりやすいし、ポイントを突く。

前迄は、隆雄さんの師匠梅若六郎=現楼雪師が、何か独吟などやっていたけど、今年は、そもそも欠席。心配だあ。

 

仕舞3曲は全部。段モノ。『笠ノ段』は蘆刈、『鐘ノ段』は三井寺、『枕ノ段』は葵上。覚えられない。

初めに、紀彰師が舞う。う~ん、良い。3曲中、一番の出来と思うのは、弟子の欲目ばかりではないはず。

 

狂言『附子』、何度もだけど、久しぶりかな。2年ぶりくらい。

東次郎家の狂言は、とにかく確りしていて、振りに乱れがない。太郎冠者と次郎冠者が、一致する動き。しっかり、きっちりとお稽古できているのが良くわかる。濫りに笑いを取ろうとしなくても、ポイントで笑いが起こる。

 

能『土蜘』、7回目。梅若だし、超がつくおなじみ。無本でも口ずさめる。

今回は、前半に2個、後半に12個の千筋の糸を繰り投げる。最後は、後ろを向いて両肩越しに2個投げると、美しい演出で、会場もどよめく。

地頭が角当行雄さん。副地頭に紀彰先生がおられて、前半は紀彰先生のお声がよく響いていた。が、後半はやや控えたか、お疲れか。

 

この薪能は、能にあまり経験のない観客を対象にしているから、能に興味を持って貰おうという企画だから、これで良いんだ。

 

この日の夜、Eテレの「古典芸能への招待」で、大槻文藏師の『頼政』と新人間国宝茂山七五三師の『通円』をやっていて、疲れているから録画もしていたのだけど、目が離せずに見入ってしまう。

11月に宇治旅行を計画していて、この能楽2曲と、平家物語の義仲軍と頼朝軍(大将源康頼)との宇治橋の戦いの現場に行く予定なのです。

こちらも、良かった。