これまで、謡のお稽古について、取り分けて曲を書くことはなかったが、まあ、それでもずっとお稽古してきたのです。
謡本は、勿論梅若のそれだけど、「梅若謡曲教本」というのが、第一巻から四巻まであって、それをずっとお稽古してきた。
といっても、正確には第一巻はパスしてしまったので、第二巻から第四巻の12曲、プラス、紀彩の会前の、「初めての謡仕舞教室」時代に教えて頂いた『土蜘』があるので、計13曲お稽古して頂いてきた。
4年もの期間なのに、少ないと感じるかも知れないけど、紀彩の会では、男女混合のクラスレッスンでのお稽古であって、みんなで謡うので、声の高さも考えて、男声、女声と別けて謡うし、必ず毎回、前回に習った箇所を復習することから入るので、この様に時間がかかるのだ。
でも、じっくりお稽古することが出来て、満足している。様々な謡い方を聞くことが出来て、楽しいし。他山の石で。
それが、教本を全部終わってしまったので、さて次にどうしようかと。
それで希望を出し合って決定したのが、『松風』。
梅若では、「準九番習」だったのです。この級位の意味は解らないけど、難しい曲なのです。
お免状とか、お習い料とか、別途お支払いするような、重い、位の高い曲でした。
”熊野松風飯の種”とかいうように、人気のある曲なのですが、位は高いし、難しいんですね。
先日、紀彰先生にお手本として一部を録音させて頂いたのですが、あれまあ、難しや。
でも先生が、難しくてダメとは言わなかったのだから、謡えるのでしょう。
来年2月に、国立能楽堂で紀彰師シテの『松風』がかかるので、これまでに十分謡えるようにしておきましょう。