7月14日(金) 横浜にぎわい座

開口一番 前座 柳亭左ん坊 『やかん』

権太楼 『へっつい幽霊』

(仲入)

柳家さん光 『真田小僧』

権太楼 『大山詣り』

 

やや涼しい感じだけど、そうなると、気圧や天候の関係で、体調が悪くなる。

気分の下降傾向ね。双極性だから。

また出かけるのが嫌になるけど、チケット買ってしまっているから、行くのだ。

 

開口一番の前座は、今年の11月に二つ目になるらしい。みんな、今が一番いいとこだと言っていた。

喋ったのは『やかん』。先生と言われるご隠居が、様々の名前の由来を適当に語る、アホ噺。

講談調の話しっぷりは、なかなかでしたよ。

眠りはしなかった。

 

ここで、権太楼。

マクラで、ネタ出しの『へっつい幽霊』と『大山詣り』のどっちをやろうかと語り出す。順番を決めていないんだね。

まず『大山詣り』での故小さんの思い出。なかなか大山に登らなく、5分で終わってしまった。終演後、弟子の権太楼と飲みに行って、一人でブツブツ言っている。失敗したと思っていたんだね。師匠小さんが、うまく行かなかったね、と権太楼に聞くから、思わず「そうでしたね」と答えたら、大いに怒られた。師匠がダメだったと言っても、弟子は「良かったですよ」と言わねばならぬと。

こういう裏話というか、楽屋話というかをマクラで聞けるのが、落語会の魅力。

爆笑。気分は上向きに。

でも『大山詣り』ではなくて、『へっつい幽霊』。ストーリーは、まあ本筋なのだけど、その語りっぷり、仕草、顔つき。完全に自分の噺として喋る。

博奕で儲けた300円を、へっついに塗り込めたところでふぐにあたって死んでしまう。なんとか取り戻そうとする幽霊と、怖いもの知らずの熊さん。最後は、300円を分け合うことにした上で、全額博奕にかけてしまう。博奕関連のお笑い。

巧いねえ。上手だねえ。今、金を払っても聞くべき噺家の一人。後は、さん喬だったかな。ワタクシ的にはここに三三が加わる。兼好は実に面白い。志らくの地位が下がっている。あくまで私的ですよ。喬太郎も面白いね。

 

仲入後は、二つ目さん光。こちらも今年9月に真打ちになるんだとか。新しい名前を言っていたけど、忘れた。。

ネタは『真田小僧』。小遣いが欲しいので、父親に、母親が男を家に上げていたのを目撃した噺を、あれこれ話す。

でも前座より面白くないよ。これで真打ちかよ。何人抜きかで真打ちになれるくらいの器じゃないとね。

師匠としては、順に真打ちに仕上げていかないとマズイのかなあ。

 

トリは『大山詣り』。腹を立てたら4分の罰金、喧嘩したら坊主にするという約束の下で、大山詣りを認められた熊さん。最後の藤沢辺りで酔っ払って喧嘩をしてしまい、寝込んでいたところを坊主にさせられたが、それを恨んで先に一人で駕籠を飛ばして帰って、みんな死んだと嘘をついて女房連中をみんな坊主にしてしまう噺。

こちらも、ストーリーは崩さないモノの、しゃべり口が巧い。縦横無尽に喋る。

 

ここまでで、やっぱり頑張って落語、権太楼を聴きに来て良かった、と思う。いつもその繰り返し。

9日間で、4回の落語会。これで今月の落語はお終い。

 

家に帰ると五月蠅いのがいるから、途中下車して馬家で一杯。馬刺しと桜なべ。家に帰りたくない、という気持ち分かりますか。

若い3代目に「久しぶりですねえ」なんて言われてしまった。

いなければ、楽しく帰って、一人で夕飯作って食べるのだけど。ホント嫌だ。