7月9日(日) 横浜にぎわい座
開口一番 前座 三遊亭げんき 『味噌豆』
三遊亭ぽん太 『笑い葦』
『汲みたて』
(仲入)
『応挙の幽霊』
晴れていたのが、段々曇りになって、しかも暑い。気分が落ち込むが。
前座の『味噌豆』、初めて聞く。味噌を造る豆を煮たのは、大変に美味しい。小僧と旦那がそれぞれつまみ食いをして、見つからないように便所(はばかり)に入って喰っているが、鉢合わせしてしまう。
味噌の煮豆は、単に煮ただけなのに、美味しいのですよね。
落語の原典のような、一口話やら、小ネタも交えて、なかなか上手な前座じゃないかな。話としては前座ばなしだけど。
ポン太の『笑い葦』。笑わない亭主を笑わせようとする女房が、笑いタケを使って笑わせる。
二つ目だが、へただな。寝た。
兼好出番。いつもの顔で、いつもの通り左手にお扇子を顔の辺りに横に持って出てくる。良いんじゃないかな。
『汲みたて』。女師匠に習いたいだけの長屋連中。仲間の一人に師匠を取られてしまって、復讐する。汚穢舟が、粋に遊んでいる女師匠と、邪魔をしようという持てない長屋連中の間に入り込む。
兼好は、爆笑を誘う。口ぶり、手振り、身振り、顔つき。とにかく面白い。落ち込み気持ちが、盛り上がる。
『応挙の幽霊』。軽い怪談話だけど、儲けたと思って喜び、一人酒をする道具屋。ところどころ、一人じゃ寂しいと。
その内、掛地から幽霊が出てきて、こりゃ応挙の真筆だった、儲け損なった。幽霊の足を描いてあげてしまう道具屋。酔っぱらい。
怪談話のはずなんだけど、兼好が喋ると、爆笑ばなしになってしまう。良きかな、良きかな。
2席とも、大笑い。本格的な古典ネタの噺家ではなくして、笑わせることに力量を使う。
たまには、こういう兼好爆笑系もよろしい。辛いときは、笑い飛ばしましょう。