5月20日(土) 横浜みなとみらいホール
指揮者:ピエタリ・インキネン
シベリウス:交響詩タピオラ
(休憩)
ベートーヴェン:交響曲第九番<合唱>
ソプラノ:守谷真理 アルト:池田佳織 テノール:宮里直樹 バリトン:大西宇宙
合唱:東京音楽大学
インキネンが首席指揮者を降りる、最後の横浜定期演奏会らしい。
彼のベートーヴェンツィクルスも最後で、九番<合唱>となる。
1曲目はインキネンの出身地フィンランドのシベリウス。
確かに、シベリウスは、インキネンが首席指揮者になってから度々聞くようになって、それが定期公演客のメリットで、新しい経験というわけ。
交響詩タピオラは、ワタシは初聴だ。タピオとは森の神のことで、ラが場所なのだろうか。森と自然の、綺麗な音楽。
ウットリ眠くなるが、綺麗な曲。
また、フルートの真鍋さんが出て来ない。ティンパニのバケラさんも欠席。好きな奏者が休み。
編成が変わって、向かって左には定位置の第1ヴァイオリン。ついで順に、チェロ、ヴィオラ、第2バイオリン。コントラバスは、常と左右反対のチェロの後方。
かような配置を見たのは何回目かだが、どういう意図があるのかは解らない。
そもそも同じ楽器のヴァイオリンで、第1と第2が別れている理由は何か。勿論演奏(音域?)内容が変わるのは解るけど、日本フィルでも、第1と第2ヴァイオリンのメンバーが画然と別れていて、今日は第1にしようか、明日は第2で弾こうか、なんてことはないのだろう。新入するときに、たまたま第1なり第2に空席があったからなのか、いや、「ワタシは第2ヴァイオリン奏者なのだ」と決意しているのか。
12月ではなくて、初夏に聞く第9も良いモンだ。もう、テレビやCDなどを含めれば100回以上聴いているのは間違いないが、演奏会で、12月以外に生で聴くのは初めて。
ま、音楽曲は変わらず、素晴らしいのですが。大体、終了後は暗くなっていて、寒いのに、今日はまだ明るく、暖かい内に終了。
インキネンの指揮は初めてのはず。インキネンらしさを感じられるほど、聞き込んでいない。
そういう意味では、普通の演奏に聞こえた。ただ、65分かけて、きっちりと、正確に演奏した感じ。
合唱団は、いよいよコロナ明けか、舞台後部の座席に、1席置きではなく詰めて、マスクをしていない。左から、ソプラノ、中央に男性の塊。おそらくテノール、バリトン。右にアルト。
最初から登場していて座っている。
第4楽章の歌い出す前に起立。ホントに起立で、両腕は、キチンと両側に垂らして、身体を動かさずに歌う。
大体12月に併せて練習してくるのが学校のスケジュールだろうけど、5月でもまあ大丈夫。よく知っている曲だからね。
でも、もうちょっと曲に乗って歌ったらどうよ。
今年は、12月にも恒例のプログラムで第9合唱がある予定。今年の中心メンバーは早くから練習して、数多く合唱できるね。しかも、インキネンの指揮で、良い経験になったことでしょう。
ソリストたちは、第3楽章終わりに登場。従って、第3と第4楽章間には「間」が出来る。
これは趣味だけど、ワタクシは、第3楽章終わって、一息くらいで第4楽章に入って欲しいのです。
配布されたプログラムの中のコラム(小宮正安さん)に、「第9の最後、楽譜を見るとそこには最後の音の後に休符が書かれており、その上にフェルマータ(音や休符を長く延ばす指示)の記号が付されている。音の後に続く沈黙の後に広がる永遠・・・。」とあって、あれそうだったかなと思いつつ、注意しながら最後を迎える。
そうすると、まだインキネンの腕が下がりきらずのうちに、拍手とブラボー。ちょっと、一呼吸早いんじゃないかな。
余韻を楽しむのは、お能の特徴だけど。
いかにベートーヴェン、いかに第9としても、楽譜にそう指示があるならば、ベートーベンはそうして欲しいのじゃなかろうか。
演奏会後、余韻などを楽しもうとして、桜木町駅近くの粉モン屋へ。広島焼き。ところがこのお店、差配がまるでダメで、お水も出て来ないし、注文もすぐに取らない。注文しても提供されるまでかなりの時間で、イラつく。
それでも美味しければまあ良いか、となるのだが、そうでもないので腹が立つ。
インキネンと日フィル、合唱付きの演奏の楽しさが、台無しになってしまった。帰りが遅くなってしまって、疲労感。