3月14日(火) 横浜にぎわい座
立川志ら門 『壺算』
『二階ぞめき』
『宿屋の富』
(仲入)
『鰍沢』
一日3席で、それが全部繋がっている、というシリーズだけど、良く解らない。
志ら門は、二つ目。
『壺算』は、3円50銭の一荷の水瓶を、3円に負けさせて、更に実は二荷の瓶がが欲しかったと言い出して、前に買った3円の水瓶を3円で下取りさせて、最終的には本来は7円の二荷の瓶を、3円でせしめるという話で、上手な人が口演すると、聞いている客まで、頭が混乱して騙されそうになるのだけれど、まだ二つ目ではそこに行かない。
キチンと話しているようだけど、どこが違うのだろうか。思うに、3人の人物の演じ分けが上手くできていないのじゃないかな。情景が見えない、というか。
『二階ぞめき』。吉原に入り浸っている若旦那に困った番頭が、お店の二階に吉原を再現してしまうと言う噺。
その二階で、若旦那が一人で遊ぶのだけど、一人で数人分演じ別けて喧嘩などする場面は、さすが。元々落語は単独芸なのだけど、登場人物が単独で複数人を演じ別けるという、ダブル複数芸。
上手いねえ。
ちょっと引っ込んで『宿屋の富』。あたるはずのない富くじに当たってしまうと言う滑稽話。そこの会場での、当たりくじを待っている人々の期待に交じった夢話の様子、主人公がくじの当たり番号を見に行って、案に反して当たってしまう様子。
まあ、これは志らくにとっては普通かな。
仲入後『鰍沢』。これは笑い系ではなく、どちらかというと怪談系。圓朝作の”3題話”らしい。
法華宗の本山、身延山に冬参ろうとして道に迷い、たまたま見つけた山家で、振る舞われた卵酒に入ったしびれ薬で殺されかかり、それでも逃げ出した客が、鰍沢に落ちてしまって、丸太一本に捕まって流されているところに、狂った女が鉄砲を撃つ。その弾が、ひょいと屈んだ頭をかすって、岩に当たって跳ね返り、女に当たって死んでしまう。これで一命を取り留められたわけだけど、ここでお客さんから笑いが起こったのは何故だ。
ここはむしろ安堵する場面でしょう。志らくの語りに緊迫感が足りなかったのかな。
オチは、お題目にかけて、材木に救われました、が普通のようなんだけど、今回は、気絶して眠り込み、起こされて、助かった、卵酒を飲んでください、というところまで。
まあ、良かったです。
3席の連続ということでは、『鰍沢』の中で、吉原に似せた二階を作ってしまった若旦那がでてきたり、富くじで当たった人を登場させたりした、というだけ。
9時ちょっと前に終わってくれた。これならば、余裕で帰ることができる。
それにしても、志らくも、かつてはチケットのゲットが難しかったけど、当日券あり、で。様変わりだな。