3月3日(金) 横浜にぎわい座

三遊亭ごはんつぶ 『ぞろぞろ』

『磯の鮑』

『雛鍔』

(仲入)

『芝たら』

 

先月の三三は、河豚を食べに行くことになってしまって、サボり。2ヶ月ぶりの三三。

 

初っぱなは、三遊亭ごはんつぶ、二つ目になったばかり。『ぞろぞろ』。演目名は解らなかった。

浅草観音の裏の原っぱにある茶屋。客が来なくて暇で仕方がない。近くのお稲荷さまに参って御利益を待つと、雨が降ってきて、雨宿りの客が入ってくる。草鞋を欲しいというが、ない。はずだったが、なんと草鞋がぶら下がっているので、引っ張って取って、売る。すると、その草鞋、引っ張って取ると、またまたぞろぞろとぶら下がって出てくる。これぞ御利益と、向かいの床屋の主もお稲荷に参って願うと、珍しく客が来る。髭をあたると、髭もぞろぞろと伸びてくるって、噺。

新人二つ目にしては巧いけど、まだまだ。

 

『磯の鮑』。久しぶりの三三だが、与太郎が騙されて、女郎買いの師匠がいると騙されて、お稽古に行く。事情を知ったご隠居が上手く話を合わせるが、聞きっかじりで、吉原に出かけてしまう。そこでの花魁との無茶苦茶話。

三三は、今日は、爆笑系か。

 

2席目は『雛鍔』。御大家のお坊ちゃまが、小銭を知らず、穴あき銭をひな人形の刀の鍔か、と思い込む。それを見ていた植木屋。帰ると自宅にも同年の子どもが居るが、こちらは小遣いが欲しくて貯まらない。小銭大好き子ども。

そこに、出入りしている旦那が来て、子どもが、先の話をして、感心されたが、小銭は知らないというから手習い道具一式をあげようというも、いや穴あき銭の方が良い、焼き芋買えるモン、がオチ。

これもしんみり系ではなく、どちらかといえば長屋もの。

 

仲入を挟んで、年度お終いだからといって話し出したのが、『芝浜』か、と客の誰でも思う。

が、芝の浜で拾ってきたのが、ジャイアントパンダの子。あれれ、と大転回。

どうやら、2022年の未来からタイムスリップして、200年前の1822年(文政5年)という江戸期に、上野動物園から抜け出てきてしまった子パンダ。たらい舟に乗って不忍池に流れて、東京湾に流れて、200年前の芝の浜に流れ着き、魚屋に拾われる。

それからも奇想天外。全部の紹介はできないけど、『文七元結』並に、見世物小屋に身売りをする子パンダ。42両で。この金額で爆笑。

評判を呼んで、熊本は細川家の大名屋敷に呼ばれて、褒美やら。「ささを食べるか」と聞かれて、「笹」と思った子パンダは、そこにあった竹で作った水仙を食べてしまう。ここは『竹の水仙』。爆笑。

手打ちに会うところ、夢になって、また現代に戻るが、『芝浜』の台本を読むと、今日の夢の通りに変わってしまっていて、落語の歴史を買えてしまった、がオチ。

これは大爆笑モノ。

落語を知る客じゃないと面白みが出ないかも知れないが、三三独演会番外編に来る客は大丈夫。大笑い、大爆笑。

 

『芝たら』という噺らしいが、新作だよね。誰が作ったのか。検索しても出て来ない。まさか、三三が新作したか。出てくる年からして2022年の作らしいけど。さてさて不思議やな。

 

いやいや、三三の爆笑系3席。面白かった。笑った、笑った。

 

2023年は、5月からまた三三独演会のハマの十番勝負シリーズが始まると。楽しみだなあ。