2月25日(土) 国立能楽堂

能 『杜若』(観世流 九皐会)

 シテ(杜若の精)坂真太郎 ワキ(旅僧)舘田善博

 笛:八反田智子 小鼓:田邊恭資 大鼓:柿原光博 太鼓:林雄一郎 地頭:山階彌右衛門

 面:シテ「孫次郎」

(休憩)

狂言 『因幡堂』(和泉流 野村万作の会)

 シテ(夫)内藤連 アド(妻)飯田豪

能 『通小町』(宝生流)

 シテ(里女、実は深草少将の霊)澤田宏司 ツレ(小野小町)東川尚史 ワキ(僧)村瀬堤

 笛:成田寛人 小鼓:住駒充彦 大鼓:大倉慶之助 地頭:辰巳満次郎

 面:シテ「痩男」 ツレ「万媚」

 

国立能楽堂では、養成事業の一環として、次代を担う能楽師が集う「若手能」が開催されている。

安いし、若手の能楽も鑑賞した方がよろしいだろう、と、いつもの売り出し日より後に購入。でもほぼ満席でした。

 

若手といっても、これまでの能会でも出演されている役者方が多くて、すでに、何度か拝見している役者が多い。取り分けて『杜若』は、若手?というくらい。

能楽の世界では、若手なのでしょう。確かに、ベテランの方は、狂言後見の野村万作師以外は出演しない。

 

 

能『杜若』。4回目。観世流は少ない。

実は今回のおシテは、知り合いのかたの師匠なので、注目。坂さんのおシテの能は初めてかも知れない。外の地謡などでは度々拝見していましたが。

「の~、の~」と登場してくる辺り、なかなかの魅力的なお声。歩みも素晴らしい。声も、動作、舞いも、やはり「若手」とは言えないような。最早中堅以上と言っても宜しいような実力。舞台の支配力もあるし。

『杜若」は、キリを仕舞で習っていて、とても馴染みが深い。仕舞とお能と、若干型に違いがあるのですが、やはり観世流は宜しい。

等と思いながら鑑賞していたところ、所々寝落ち。まあ、ストーリーせいは少なくて、歌舞音曲の世界だから、集中力を持続するのはなかなか困難。ある方は、8割寝てしまった、と落ち込んでしまっていた。

まあ、そういう曲なのですよ。

 

狂言『因幡堂』も4回目。酒飲みの妻を離縁して、因幡堂に籠もって、新しく”申し妻”をしようと企むが、露見していて、化けている妻に追いやられる。

うむ、普通でした。後見に野村万作師がいたので、緊張したかも知れないけど、後見で舞台が締まるということはあること。

 

能『通小町』。3回目。

こちらは、宝生流だけど、ストーリー性が強い作品なので、解れば眠くならない。

こちらは、宝生流だからなのか、出演者にあまり馴染みがない。

ワキも初めての方なのだけど、これだけベテランとの差が出るワキも珍しいか。まだまだでした。

ツレ小野小町が受戒して成仏しようとするのを、妨害するシテ深草少将の霊。そのシテの墨染めのような黒い衣装と、長い黒髪の中から垣間見える面が印象的。もて遊んだ小町、遊ばれて最後の九十九夜めに死んでしまった深草少将。

なぜだか、突然2人とも成仏してしまう不思議さは、相変わらず解らぬ。

 

寒い、寒い日で。

今月は、これで能会お終い。5回能会に行って、7番観ました。多過ぎ。来月から厳選の予定。