2月12日(日) 横浜能楽堂

狂言組 (和泉流 野村万作の会)

お話 中村修一

『文荷』

 シテ(太郎冠者)内藤連 アド(主)月崎晴夫 小アド(次郎冠者)飯田豪

(休憩)

『二人袴』

 シテ(聟)岡聡史 アド(親)高野和憲 小アド(舅)深田博治 小アド(太郎冠者)中村修一

 

2つともよく知っている曲で、それを楽しみにしていくのではなかった。

事前の年間計画書のようなものには、本日の『二人袴』のシテは石田淡朗と書いてあったので、ほぼ100%彼を観に行ったのでした。

淡朗君のファンなのです。

ところが、入場して、フト、掲げられていたタイムスケジュールを見ると、『二人袴』は岡聡史さんのシテと書いてある。

慌てて、頂いた本日のパンフレットを開くとそこにもそう書いてある。

そもそも石田淡朗君はまったく登場しないのだ。

能楽堂内には、しばしば、役者交替のお知らせなどと言う掲示があって、その掲示を探したけど見当たらない。

 

役者の交替などよくあることで、それは仕方ないが、開始前に公表すべきではないのか。

 

たまたま知り合いの横浜能楽堂職員がいたので、石田淡朗ではなくて岡聡史になっている旨、伝えたところ、その職員も交替を知らなかったという。

休憩時間にまたその職員から、野村万作家の中心人物ならば、しっかりお知らせするが、岡聡史さんと石田淡朗君は同レベルであって、(告知せずも)問題ないというのが、事務所(ここでは野村万作の会か)の回答だと言われた。

この回答にもまた混乱。勿論ワタクシが直接に聞いている訳ではないから、伝言ゲームの間違いはあると思う。

お能では、地謡のメンバーまで、交替があったときは、交替掲示がなされ、何らかの理由告知があるし、と却って不信感が広まった。

岡聡史と石田淡朗は同レベルだから、理由なく交替しても宜しいということか。

 

というわけで、狂言自体はさして楽しめず。というか、『文荷』は殆ど寝てしまった。

『二人袴』のシテ聟岡聡史さん。長袴に慣れないのを強調したいのは解るけど、動作が大げさ。

アド親高野さん、小アド舅深田さんは、すでにベテランなので、良い感じ。

 

一番の可能性は、石田淡朗さん、英国での演技活動にむしろ力を入れたい、ということか。

狂言も上手なのだけど。見栄えも良いし、スタイルも良い、声も良い、上手。狂言師としてはブレイクすると思っていたが。狂言師にとどまらず、広く世界の演劇人となるのか。

古典芸能ファンとしては残念だけど、まあ仕方ないか。応援します。

まだ「野村万作の会の狂言師たち」には、石田淡朗さんの名前があるけど、消えてしまうのかなあ。