12月19日(月) 16回目照射(後4回)

この辺りは順調。放射線治療の第4週(最終週)に入り、何回目かの照射か、より、あと何回照射すればお終いになるか、に意識が勝手に動く。

面白い。

この日は、寒いせいか、頻尿が酷くて、30分に一度。これには困った。

 

核戦争というコトバがフト浮かぶ。1回3グレイのX線を、前立腺めがけて照射するのだけど、これはいわば放射線照射という核戦争を我が身体の一部で行っているわけで、ターゲット=敵は前立腺内のガン細胞ではあるが、核戦争のために、前立腺内の正常細胞や周辺の膀胱やら直腸の正常細胞にも、核攻撃が行われている。

なるべく敵に照射するように位置決めなどするが、味方にも当たってしまうのは避けられず、為に、様々な副反応というか悪影響が発生する。

X線攻撃を受けても、ガン細胞と正常細胞の快復力の差を利用した治療なので、その回復にも体力を要するのだ。

なんだか、これでシステムを理解したようで、納得的。

 

12月20日(火) 17回目照射(後3回)

順調に。

 

12月21日(水) 18回目照射(後2回)

この辺りで、あらたな副反応。肛門痛の発生。直腸にも放射線照射されていて、正常細胞に異変が起きているのだ。その異変は直腸内部にも、直腸出口にも及ぶ。直腸内部は、何も感じないけど、調度出口に当たる肛門細胞にも異変が起きていて、尾籠な話で申し訳ないけど、排出時に痛みを感じるようになった。

これを訴えて、軟膏薬を処方して貰う。

いよいよ、カウントダウンに入って、そのままかと思ったら、新しい困難。

年末に、考えていた予定は無理かと落ち込む。

 

12月22日(木) 19回目照射(後1回)

後の回数を考えても前向きになれない。気分の落ち込み。

核攻撃にさらされても、頑張って正常細胞は立ち上がろうとしているのだから、多少の味方の喪失はやむを得ないのであって、指揮官、ワタクシですね、が弱気になってはいけない。

 

12月23日(金) 20回目照射(ラスト)

いよいよ、最終日なのだ。最後の核攻撃なのだ。

最終照射自体は、淡々と進み、終わる。別に20回達成の式典があるわけではないけど、最後の治療室を出るときは、感慨深いモノがある。

これで、前立腺内にあったガン細胞は、全滅したはずなのだ。

 

照射は終了して、核戦争は終わったけど、まだ戦後処理は続く。やられた正常細胞の復活へ。

この副反応はいつまで続くか不明。半月という看護師もいれば、1~2ヶ月という方もいる。

しかし、あらたな攻撃はないのであって、前途は明るい。良くなる方向しかないのだから。

具体的な副反応減少はまったく見られないが、トイレの回数をチェックしなくて良くなっただけでも、気分的に楽チン。

このまま、回復途上の中で、年末年始を迎えることが出来る。

年内に能会が1回、お稽古発表会もある、金沢の孫に会いに行くチケットも取れたのだ。