12月8日(木) 横浜にぎわい座

開口一番 前座 柳家小きち 『子ほめ』

『時そば』

『掛取り萬歳』

(中入)

『芝浜』

 

さん喬は、わりと好きな噺家。ベテランで、ちゃんとした噺家で、奇をてらったりはしない。江戸情緒派。

 

開口一番前座は、つまらん。

 

さん喬の登場で、なんやかやマクラを喋った後、『時そば』。これはネタ出しでは無い。

まあ、こういう『時そば』も悪くは無い。良い感じ。でも、大ネタ二題をネタ出しているのに、どうしてこういう『時そば」なんかやるかね。冬で、年末だからかな。

 

座ったまま、ネタ出しの『掛取り萬歳』。大晦日に借金を取りに来る連中を、どうやって追い返すか、相手の好きなことで対抗しようという算段。

まず、大家が店賃の取り立て。大家は狂歌が好きというので、狂歌で対応。シャレですね。これはなかなか知識がいるはず。

難波屋には義太夫、浄瑠璃。相模屋には芝居。この辺り、さん喬はほぼ一流の語り口で喋れないと出来ない。芸達者。

最後は、三河屋に対しては、三河万歳。扇子をひらひらさせるヤツ。今や、保存会が出来る程度で、一般的では無いが、噺家のうまいもんならば出来るのです。

 

トリはネタだし『芝浜』。かの有名な年末噺をさん喬どうするか。

重点を、家族の仲とか、情け、繋がりに置く。そういう『芝浜』もありだよ。子どもも登場する。

言葉遣い、細かな仕草など、江戸情緒溢れる。

取り分けてのくすぐりもなく、オチも同じだけど、良い感じ。じっくり聴かせて貰う。

20:40に始まったからどうなるかと思ったら、やはり、21:30までかかってしまい、遠くから来る私のような客はやや腰が浮き出す。

だから、『時そば』は不要だったんだと思う。