11月30日(水) 神奈川県民音楽堂

桂宮治 『棒鱈』

三遊亭兼好 『大安売り』

柳家三三 『三人旅』

(仲入)

春風亭一之輔 『反対俥』

柳家喬太郎 『稲葉さんの大冒険』

 

よこはま落語会が、100回を迎えた記念公演。

半年以上前から売っていて、あの県民音楽堂が満席。800人以上。

もともと音楽堂だから、客席は、全部下向きで高座を上から望むのだ。噺家から見ると客は全員上部方向。妙だけど、仕方なし。噺家はやりにくかろう。

 

宮治『棒鱈』。

まず、「開口一番、前座の宮治です」の挨拶で、満場爆笑。すっかり取り込んで、客のウケも良くて、今日は良い落語会になりそうだ。

宮治は若くて、爆笑系でウケるのだから、それで良いのだけど、『棒鱈』の江戸っ子の座敷と隣の田舎侍の座敷の区別があまりつかず、しかも早口なので、混乱する。もう一つだな。まだ大看板や大御所には遠い。めっちゃ面白いけどね。

 

座が盛り上がって、兼好『大安売り』。兼好は、笑いこそ落語の精神だから、とにかく面白く話す。

大阪相撲の力士が、結局10連敗するのだけど、その言い訳というか戦いぶりが面白い。親方と、ひいき筋の為に頑張るというときの仕草もよろしい。

聴いたことがなかった噺。

 

ここで三三。三三は爆笑系ではないから、真ん中にしたのか。

三三は、じっくり聴かせる噺がうまいから、爆笑系の4人に挟まれて、難しかったか。時間がなかったか。

 

一之輔『反対俥』。楽しくないなあ、という雰囲気で出てきて、だんだん盛り上げていくのは、巧いねえ。

2台目の俥引き、高速で飛ばす俥迄行かなかったが、面白かった。

教師を引退した祖父様の車引きと孫。嫁に夕飯を食べさせて貰えない。2台目まで行く必要ないね。

 

トリは喬太郎。新作落語。調度1年前に亡くなったという円丈作らしい。

太りすぎで脚が悪く、見台を使う。

会場はずっと大盛り上がりで、噺家ものっていて、アドリブで前の話を所々盛り込んで、それでまたウケる。

喬太郎は、新作落語が面白いのだった。円朝作の怪談話も上手だけど。

 

今回の5人組は、私的に最も面白い人々。これは贅沢な落語会。

病で落ち込みがちだけど、大盛り上がりで、実に楽しい落語会でした。