11月3日(木・祝) 杉並能楽堂

大蔵流狂言 狂言組 山本東次郎家

『秀句傘』

  シテ(大名)山本則重 アド(太郎冠者)山本凜太郎 アド(新参者)山本則孝

『鱸包丁』

  シテ(伯父)山本則秀 アド(甥)山本凜太郎

(休憩)

『狐塚』・小唄入

  シテ(太郎冠者)山本東次郎 アド(主)若松隆 アド(次郎冠者)山本則孝

お話 山本東次郎

 

山本東次郎家の本拠地での狂言会。2度目。定員70名、コロナで少なくしているか。最後列以外は桟敷席で、ワタクシはこの座り方が好き。

則俊さんと泰太郎さんが体調不良ということで、配役の変更あり。

 

東次郎先生が、文化功労者に選ばれたお祝いで、玄関に、蘭などのお花が一杯。

 

『秀句傘』、記録上2回目で、初回は今年の5月だけど、ほとんど寝ていたとブログの記録。

秀句、シャレですね、どうしても良く解らないのです。じっくり聞いてみるが。

新参者の奉公希望者は、傘の秀句はできるという触れ込み。

まずやってみよと。

「骨を折って参った」「小骨を折って参った」「徒然に・・」。これが自信作か。

当然シテ大名も解らない。こっちも解らない。刀の柄に手を掛けて怒り出す。

アド太郎冠者が取りなして、もう一度チャレンジする新参者。

「ありがとう存じます」「大慶に存じます」「満足致します」。これはホントは秀句でもなんでも無いのだけど、見栄を張りたいシテ大名は素晴らしい秀句だとして色々あげてしまう。

良く解らないアド新参者は、しめしめと奉公は諦めるがそれらを持ち逃げする。裸に近くなったシテ大名は、「秀句は寒いものだな」といって下がる。

解らないでしょ。これも、後の東次郎先生の解説を聞いて、やっと解ったという程度。

難しい。

 

『鱸包丁』も2回目で、2018年12月の狂言堂、チト難しいとコメントブログ。

百に一つも真を言わないアド甥が、頼まれた淀の鯉の大きいのを捕まえたが、逃がしてしまった、と言い訳。見抜いているシテ伯父は、鱸を頂いているから、それの料理について語る。

何で食べたいか、打ち身(刺身のこと)で食べたいと言うが、ダメだという。虫が付いているからか。

他の料理についても語るけど、これはもう解らない。寝落ちもしたし。東次郎先生の解説を聞いても解らなかった。

 

『狐塚』も3目で、前回は22年10月の国立。ストーリーは解る。

豊作になった田を荒らす鳥を追ってこいとアド主が2人に命じる。狐が出ると怖いのだけど、頑張って鳥を追う。そこにねぎらいの酒を持って来たアド主を、狐が騙していると考えた2人は、つがれた酒を密かにこぼしたりした上、最後は主を鳴子の綱で縛ってしまう。

解説によると、東次郎家では、2人の冠者は、ホントに狐が化かしに来たと思い込んでいる。他の家では、こんなことを命じた主に復讐するというのもあるらしい。

 

というわけで、結局3曲とも、東次郎先生の解説を聞かないと、真意はわからないまま、ということになってしまいそう。

なんとか、全曲、東次郎家の解釈と演出を解説した本にして貰えないかしら。

 

最後に、小舞「貝尽くし」。能『玉ノ井』のアイ狂言で出るものらしい。能も知らないし、だから小唄も知らない。

この地謡には病み上がりの則俊さんが出場。いつもの力強い謡が観られた。

 

狂言は知らないことばかり。もっともっと知りたい。

東次郎家の狂言は、できるだけ観たいなあ。しかも、解説付きが良いなあ。