10月16日(日) 梅若能楽学院会館
仕舞 『放下僧』小唄 三吉徹子
『柏崎』道行 鈴木矜子
『錦木』キリ 山村庸子
地謡地頭:山崎正道 梅若英寿 他
連吟 『巻絹』 梅若長左衛門 他
『夕顔』 松山隆雄 他
一調 『龍田』 小田切康陽 太鼓:林雄一郎
(休憩)
狂言 『八句連歌』 (和泉流 三宅家)
シテ(貧者)三宅近成 アド(何某)髙橋祐介
能 『富士太鼓』・現之楽
シテ(富士の妻)角当直隆 子方(富士の娘)角当美織 ワキ(官人)殿田謙吉
アイ(官人の下僕)前田晃一
笛:竹市学 小鼓:飯田清一 大鼓:原岡一之
地頭:梅若楼雪 副地頭:梅若紀彰
副作用で、辛かったが、能楽こそ副作用対策。ホルモン治療中止するわけに行かないからね。
でも、帰りまで、ボーッと。集中力に欠ける。
仕舞三曲は、女流。うち『放下僧』小唄は、習ったモノだったので、とても参考になった。他の二曲は不知だが、型の参考になる。素人稽古中のモノには、女流が良いかも。
地謡に梅若英寿君がいたが。
連吟二曲は、さすがのベテランで、迫力あり。
一調『龍田』は、初めて聞く能謡なので、良く解らない。「龍田川 紅葉乱れて 流るあり 渡らば錦 中や絶えなん」(古今和歌集)の、龍田川の紅葉の曲なんだろうけど、季節柄良きかなだろうけど、如何せん、詞章が聞き取れず。
狂言『八句連歌』、2度目。初回は、まだまだの時期の2019年3月。野村萬斎シテとアリ。
金を借りたシテが、返せないのでアドに会えないでいたが、なんとか会っておかねば、という流れの中のやりとりで、流行っていた連歌を作り、最後は、望外に借用証を返してもらい目出度し、目出度し。
初回は、まったく連歌の意味が取れずに惨敗。気を入れて書き取ろうと。
初句「花ざかり ごめんなれかし 松の風」、これはシテの作。金を返せず、ゴメンナサイ、という暗喩。
二句「桜だに なぜや雨も 浮き雲」、アド作。だいぶ怪しいメモだけど、どうして返さないの、ということか。
三句「幾度も ???みて 詫びん 月の影」、シテ。いつも返そうとは思っていたんだよ、かな。
以後、聞き取れず。
最後の八句「あまりしたえば 文を取らす」アド。で、文=借用証を返そうというわけ。上手に連歌できたから。
こうした遣り取りばかりで、詞章の例示もなく、まったく解らないよなあ。
能『富士太鼓』、なんと初回。
先日、謡いお稽古で全曲謡い終えたばかり。だから、ストーリーも詞章もほぼ理解している。謡本も持ち込んだし。
それがどんなんだろうか、とお能を観よう。地頭が人間国宝梅若楼雪師だし。副地頭に、紀彰師だし。
小書きの「現之楽」によって、「楽」の舞以降、激しくなると言うことだったが、それ以上に、謡のお稽古と、実際のお能の地謡とは、こうも違うのかと。
謡のお稽古は、1句ずつ謡うが、実際の能では、連続して、物語として謡うので、盛り上がりとか、スピード(序破急)、声の強さ弱さ(ツヨ吟かヨワ吟か)、それを越える物語に沿った強弱、こんなに物語性が溢れる謡なんだ、と圧倒される。
誰が、指揮しているのか。当然、人間国宝地頭梅若楼雪師だ。彼の力で、同じ曲でも、こうも違う風になるのだろうかと。凄い。
考えてみれば、人間国宝が毎回出演する定式能って、素晴らしいことだな、と。
子方の角当美織ちゃん、シテの直隆さんの娘。しっかりしていましたよ。
梅若のお能は、お稽古しているだけに、勉強になるし、楽しいし。