9月2日(金) 横浜にぎわい座

開口一番 二つ目 三遊亭歌彦 『新聞記事』

『景清』

(仲入)

ゲスト マジック ボナ植木

『明け烏』

 

9月に入って涼しくなる。

 

開口一番『新聞記事』。天ぷら屋さんのたけさん家に泥棒が入って、戦ったたけさんが殺されたが、賊はすぐに捕まった、天ぷら屋だけに「すぐに揚げられた」がオチ。

何度か聞いた噺。この二つ目は、声が大きくて良い。こっちの耳が遠くなったのか。

 

『景清』、初めて聞く噺。お能の「悪七兵衛景清」を思い浮かべるが。

盲目の木彫り職人は、生まれつきではない盲目で、なんとか目明に戻りたいと、医者に通ったり、信心して題目を唱えたりしたがうまく行かない。あるとき懇意の旦那にすすられて、上野の清水観音に100日通いをしてみる。100日目でも、開眼しないので、悪態をついていると、帰り際に雷雨に襲われて、そのおかげでか、目開きとなる。帰ってみると美人の妻。「はじめまして」と挨拶するのがオチ。

なんだ、景清は出て来ないじゃないかと聞いていると、上野の清水観音は、景清が祀られているとか、という噺の中。

でも、調べてみると、そんなことどこにも書いていない。三三か柳派の創作かな。

ご本尊の千手観世音菩薩が、平盛久らしく、あの由比ヶ浜で斬首されそうになったときに、刀が折れて命拾いしたのは、京から鎌倉に連行されるときに京東山の清水寺に参ったから、という伝説のあの人。お能の『盛久』。

その関係で、平家物語だから、かつ、盲目だから景清か。かなり無理がある題名。

あまり面白くない。

 

仲入後は、ピン芸人になってしまった、もとナポレオンズの相方。70歳だってことをウリにしていたが、こっちは69歳で、何だか身につまされる。売れない芸人になってしまったが、過去の栄光にすがって、喰うためか、一人でどーしょーもないマジックをやるだけ。もっと、トボケぶりを売らなくちゃ。

 

『明烏』。久しぶりに聞くなあ。堅物の大家の息子が、騙されて吉原にお籠もりに行くが、一人だけモテてしまうという噺。

三三は、上手なんだけど、取り分けての話しぶりではなくて、あんまり面白くない。

 

コロナだったらしい。8月下旬回復して復帰。それから忙しくて、だと。まだ、復帰直後。

コロナ後遺症ということにしておきましょう。

ググッと、引き込まれる噺を聴きたい。