今度のお仕舞いのお稽古は、『杜若』を希望した。
紀彰先生から、クセかキリかと聞かれたけど、良く解らないので、短い方ということで、キリになった。
この曲の前のお稽古は、『雲林院』クセ、『井筒』キリ。これに続いて『杜若』キリになったのでした。
何故か。そう、共通点は、在原業平。
女好きなのです。
しかも、いずれもゆっくりした舞で、高齢者にも舞えるということ。
在原業平、ファンです。
8月17日のお稽古で、お手本を録画させていただいて、ちょっとお稽古して、8月31日が2回目のお稽古。
シテ謡が難しくて、上手く謡えない。
舞自体は、よくある型の連続で、覚えやすいのだけど、却って、基本が出来ていないとみっともない。
苦手な拍がないのはうれしい。
「紀彩の会」という6名のグループを勝手に作っていて、個人レッスンではなくて、グループレッスン。謡は男女別に一緒に。仕舞は各自が希望を述べるか、あるいは先生が決めてくださる。
仕舞のお稽古は、全員が見ている前で舞うことになるが、それが参考になるというか勉強になる。
会場は、横浜能楽堂の第2舞台なのだけど、見所の部分で、「あれ難しいね」「ああ、なるほど、こうやるんか」「やはり上手だよねえ」などと囁き合って、舞台上の邪魔にならない程度に振りの型を、紀彰先生のご注意を試してみる。それぞれのお稽古が終わると、拍手が起こるという、和気藹々。
これは、「初めての謡仕舞教室」に通った生徒の中から、希望者でグループを立ち上げたので、スタートとその時点の力量がほぼ同一であったことから実現できたこと。
バラバラに入門すると、こういうことは出来ない。謡や仕舞など能楽のお稽古は、だから、どうしても個人レッスンになってしまう。
しかも、グループでお稽古することに、違和感を持たないことが必須。仲良し。恥ずかしがらない。
紀彰先生とも、師匠と弟子との規範は守りつつ、仲良し的。
「紀彩の会」は、まさしく、奇遇・貴遇によって実現・維持できているもの。