8月25日(木)に、放射線科の医師の診察というか、面談があった。
前回の泌尿器科診察で、放射線科を紹介されて、初めての放射線科。
その日は、放射線科の後に、泌尿器科もあるので、まず、血液採取。
ホルモン療法の投薬1ヶ月での、成績検査と、いわば、スタート地点でのPSA値測定。
13時30分予約で、放射線科。
前に泌尿器科でざっくり聞いた、放射線治療について詳しく。
市民病院放射線治療科では、強度変調放射線治療(IMRT)を行う。IMRTとは、Intensity Modulated Radiation Therapyの略。
従来の放射線治療は、3D-CRTで、3次元原体照射。前方、両脇から外照射する。
これに対しIMRTは、「色々な方向から放射線を腫瘍に当てるときに、ぞれぞれの方向からの放射線の量を変化(放射線の強さに強弱をつける)させる。 放射線の量を変化させることで、腫瘍の形が不整形で複雑な場合や腫瘍の近くに正常組織が隣接している場合でも、多くの放射線を腫瘍に当てることが可能となる。つまり、周囲の正常組織に当たる放射線の量を最小限に抑えながら、がん治療を行うことができる。」ということ。
通常照射では作ることの出来ない急峻な線量勾配(放射線の傾斜)やくびれた線量分布も描くことが出来る。これによって、3D-CRTと比べ、前立腺ガンへの照射の場合、特に直腸への副作用をより軽くすることが期待される。また、処方放射線量も増やすことが出来て治療効果の向上も期待できる、と説明書にあった。
泌尿器科での説明では、従来型では35回の連続照射になるが、IMRTでは20回の照射で済む。月~金曜日の、週5回で、7週間か4週間かの違い。
総放射線量は、70グレイで変わらないと思っていたら、質問してみたら、IMRTでは、総量60グレイ、1回3グレイの照射が出来る、ということらしい。目的物(前立腺ですね)に対してより的確に照射できるから、1回の放射線量を増やして、総量を減らしても、治療効果は変わらない、とのこと。
といっても、尿管や直腸への打撃(放射線が当たる)をゼロには出来ないので、副作用はあるが、程度の差も期待できる、とのこと。
更に、特に直腸への副作用を下げるためと通院回数を減らすために、定位照射という方法もある。これは事前に入院して、ゴールドマーカーという金属指標を前立腺の周りに埋め込み、直腸との間にゼリー状のスペーサーを注入する手術を要する。それによって、1回の放射線量を更に増やし、5回の照射で出来るという。総量が60グレイならば、1回12グレイ。毎日連続ではなく、3日おきに5回らしいが。
ワタクシは、手術は嫌なので、この定位照射法は、お断り。
20回コースを希望。
ふむ、ふむ。納得的で理解可能な説明だけど、予備知識があるから解るのであって、そうでないと、説明しましたよね、と言われても無理だよね~。
カレンダーを見て、年内に20回の治療を終わらせるために、11月29日(火)を第1回として、12月23日(金)を20回目、最終回とする計画にする。
放射線を精密に体に照射する必要があり、また、膀胱内の尿量や直腸内のガスや便の有無によって前立腺の位置が変化するため、毎回の照射で前立腺の位置を一定に保ちたい。膀胱内の尿は100ml~200mlほど溜め、直腸は空の状態(ガスや便が無い状態)に、毎回、したい。
それに向けて、実際に治療開始する前に、尿量や直腸の状態を同じにして、CT撮影を行い、シェルと呼ばれる固定具を作り、位置決め(仮の印)を体の部位に描く。この作業日を、逆算して、11月15日(火)とした。
『前立腺癌に対する放射線治療に関する説明書・同意書』に署名する。良くわからん人が多いのでしょう。受付から医師に廻ってきたメモに、「お一人です、付き添い無し」との付箋が貼ってあった。
泌尿器科に戻って、血液検査の結果を聞く。カソデックス服用4週間で、PSAは5台で、従前の6よりは下がっているが、まだまだ初歩。血液採取から1~2時間で結果がわかるのですね。さすが、大病院。
このあと、さらにカソデックスの投与を継続すると共に、リューブリンを皮下注射する。両方とも前立腺ガンの増殖を抑える抗がん剤の一種。副作用は、あまりない。
今度は6週間分のカソデックスの処方箋を出して貰う。
したがって、次回泌尿器科は、10月6日(木)。血液検査も行い、経過観察と更なるカソデックス処方の予定。
PSA値は、放射線治療開始時頃は、ほぼゼロになるが、放射線終了時で、少し上昇するとのこと。PSAが2以下で推移していれば完治と言うことのようだ。
ここは素人判断で、放射線で前立腺のガンは、壊滅できて、ずっとPSAはゼロのままだと思っていた。考えてみれば、レーザーで破壊する訳ではなく、遺伝子を破壊して増殖しないようにすると言うことだから、ゼロにはならないわな。
再び、何年か後に、PSAが4を上回るような事態になれば、再燃と言うことで、またホルモン療法をすることになる。そのホルモン療法も耐性が出来て効かなくなると、さてどうしようか、ということになるのかな。
まあ、その時は、ワタクシも相当な高齢者であって、もともと前立腺ガンの進行は遅いので、もういいか、と言うことかな~、と漠然と考える。
乳がんの友人は、腹部の脂肪辺りに、左右交互に同様の皮下注射をしていたが、前立腺ガンのリューブリンの場合は、二の腕のぷよぷよ部分に皮下注射。
この皮下注射が高い。保険点数で7604点。1点10円なので、7万6040円ですね。
薬局でカソデックスを買って、関内の利久庵で肴と酒と蕎麦、たっぷりと。
なかなかハイな1日でした。翌日は反動でウツ傾向。