8月14日(日) 神奈川県民ホール小ホール
オープニングトーク 柳亭小痴楽
口開け 柳亭明楽 『子ほめ』
『浮世床』
『粗忽の長屋』
(仲入)
『らくだ』
2019年9月に真打ちになったばかりの小痴楽。
柳亭痴楽というと、「綴り方教室」の新作というかマクラで、子どもの頃から知っていた。これが4代目。
小痴楽はこの関係者かと思うと違って、4代目とは血縁関係のない5代目痴楽の子ども、らしい。小痴楽として3代目。
オープニングトークは、こういうのは、たまにあるけど、どうってことない。極めてラフな軽装にサングラス。
どうやら、初めての全国ツアーだと。全国ツアーというと、一之輔の「ドッサリまわるぜ」があって、これを意識したらしい。
その初全国ツアーの、その初日が今回。
ボクは、eプラスか何かの宣伝で知り、即申し込んだが、今日の入りは、良くないねえ。宣伝不足と言っていた。
明楽は、痴楽の弟弟子。二つ目。小痴楽独自の弟子はいないので、前座さんがいない。めくりも自分たちで。
ホントに何を話すか事前に考えていなかったらしく、高座でしばし考えて、おもむろに『子ほめ』。大して面白くない。座を白けさせたか。
小痴楽の登場で、盛り上がる。まあ、おしゃべりなのだね。初全国ツアーで、あれこれやりたいことが頭の中で渦巻いているようで、マクラもハチャメチャだけど、面白い。
話し出したのが『浮世床』。この演目名が思い出せなくて。ちょっとストーリーが読めない。何度か聴いたことがある話だから追えるけど。全体的には、スタートダッシュで躓いた感じ。
ちょっと引っ込んで、水を飲んで『粗忽の長屋』。若手らしい、気っぷの良い語り口で、良かったです。一之輔を彷彿とさせるような。ただ、人物の話分けが、もう一つ。
仲入後、照明が一旦落とされて、屏風の裏が赤くなる。おお、これは時節柄怪談話ではないかと思わせる。
ところが出てきた小痴楽は、正直に、怪談話や人情噺は出来ないので、と告白して、客席の集中力を高めるために、ちょっと照明を変えてみました、だって。初ツアーだから、気を遣うのです。
で、何を始めるかと思ったら『らくだ』。
喋々とテンポよく話すのは若手。このところ、ベテランばかり聞いていたから、何だか新鮮。
ただ、屑屋が酒を飲んで、兄いと立場が逆転するところが、もっとじっくり、そういう雰囲気にならないと。どうやら、小痴楽はあまり酒が好きではないらしい。飲み助の気持ち、開き直りがやや唐突で。
焼き場のノンベイに持って行くとこまで、最後まで喋った。道行きの所を少し端折ったか。
ストーリーを追うところにまだまだ気が行きすぎて、自分のものになっていないけど、若手のちゃきちゃきした噺っぷりで、良かったです。
若手真打ちの中では出来る方じゃないかな。上手な方です。これからも、探って、聴いてみようと思う。
今回は、初全国ツアーの初日ということもあったか、『浮世床』『粗忽の長屋』『らくだ』の3席は、チト重い。終了時間が40分くらい延びてしまう。『粗忽の長屋』と『らくだ』をやるなら、この2席にして、と思うけど。
でも、若手らしくて良いか。あれこれ、実験。