7月4日(月) 国立能楽堂

基調講演 天野文雄 (京都芸大舞台芸術センター特別教授)

仕舞 『賀茂物狂』 観世清和

(休憩)

座談会 観世清和

    田中安比呂(賀茂別雷神社宮司)

    天野文雄

    司会:横山太朗(立教大学教授)

 

今月7月28日(木)と7月30日(土)の2日間、国立能楽堂特別企画公演「能を再発見する」として、観世流の復曲能『賀茂物狂』が上演される。

やけに、観世御宗家の力が入っていて、常のチラシとは別に、この特別企画公演の立派なチラシも配布されていたし、なにより、公演に先だって、特別公開講座をやるという。

滅多にないことだし、まあお勉強でもしてこようかとチケット購入。

ワタクシは、安い中正面席の端っこ。正面席は、やはり御宗家の力か、結構な人数がいらっしゃっている。

 

開始前から眠くて、ロビーで寝こけていたら、始まりますよ、と声を掛けられる。我知らず、寝るのは老化現象。

 

それでも、基調講演は為になった。観世流では、後場の一部を蘭曲としているだけだったのを、他流や、古い書物などから復曲していく様子。大変なのですね。

その中で、お能は、細部の技巧などに捕らわれること無く、とにかく楽しくなければならぬ、とは、もう80年も前から言われていたことだと。そうだよね。初見するときに、おもしれ~って思えないとね。

そんな観点も踏まえて、3年も掛けて復曲したらしい。

 

仕舞『賀茂物狂』は、観世御宗家が、わずか1時間で舞を組んだらしい。良く解らなかったけど、観世流の蘭曲の部分かな。わかりやすい振り付けでした。

本番ではどうなるか。衣装とか、手持ちの小道具とかには、色々趣向を凝らしたけど、舞そのモノはなるべく単純に、と言う意向らしい。

 

座談会は、結構難しい。下知識が無い人じゃないと、完璧な理解は困難。内容は、ワタクシには纏める能力が無い。

寝なかったですよ。

田中宮司は、復曲能関係と言うより、舞台となった上賀茂神社=賀茂別雷神社のことを話される。

 

同神社の末社のうち、岩本社と橋本社。岩本社(岩本明神)は、ホントは違うのだけど、この能の中では在原業平を祀る、歌の神。

橋本社は藤原実方を祀る、舞の神。住吉社関連。

この両社で、舞歌の神、と言うことなんだって。

在原業平は、単なる歌詠みの色好みでは無くして、中世では、元々衆生済度の神であって、仮の世に出て和歌の世界を広めた、という説が通説だったらしい。ふ~ん。軟弱色好みの方が良いなあ。

 

まあ、月末の会を楽しみましょう。