6月26日(日) 横浜能楽堂
狂言 『船渡聟』 (和泉流 野村又三郎家)
シテ(渡守)野村又三郎 アド(聟)野村信朗 アド(姑)奥津健太郎
(休憩)
能『田村』・替装束 (観世流 観世会)
シテ(童子 坂上田村麻呂)岡本房雄 ワキ(旅僧)森常好 アイ(門前ノ者)伊藤泰
笛:一噌隆之 小鼓:幸正昭 大鼓:原岡一之 地頭:寺井榮
面:前シテ「喝食」(鷹津紘一 作) 後シテ「天神」(羽生光喜 作)
横浜能は、昭和28年に第1回が行われて、それから約70年、今回が69回目。
66回以来、4回連続で鑑賞している。
横浜能楽連盟が中心になって開催。横浜ゆかりの能楽師で演じられる。
今回は、能のシテ方の岡本さんが横浜ゆかりの能楽師かな。野村又三郎家は名古屋のはずだから。
狂言『船渡聟』は、何回も、で、船頭と聟が船中で宴会になってしまうのが大蔵流でした。船頭と舅は別人。
今回は、和泉流なので、この配役で宜しいのでした。船頭=渡守は、実は舅だったので、上記配役は正確には(渡守、実は舅)と書くべきか。
飲み助は、大蔵流では船頭と聟、和泉流では船頭(実は舅)だけ、なのです。
オチも変わってくる。
野村又三郎家は、歴史あるお家だけど、又三郎さん以外は、まだまだ、という感じ。信朗さんは息子。
能『田村』は3回目だけど、謡のお稽古したり、クセの仕舞もしたりしてきたので、詞章はほぼ記憶している。そういう意味で馴染みが強い。
謡い方も、舞い方も、紀彰師ばかりで刷り込まれていて、同じ観世流だけど、アレッと思うところが多数。
紀彰師風の方がよろしい。というか、紀彰師風が身に染みついていて、それが私にとっては正解になってしまっている。
今回は、替装束という小書き付き。後シテが唐風の装束に、冠、扇。どうして坂上田村麻呂が唐風なのかしら、と思ってしまう。
シテとワキが連吟する場面では、どうしても、ワキの森さんの方が謡は上手だなあ、との感想。同行者も同意見。本来は、ワキはシテに譲るんでしょうが。
やはり、シテ方の力量かな。舞台の集中感も乏しかった。
来年は、横浜能、行かないかも。ま、曲や出演者にもよるけど。