5月10日(火) 横浜にぎわい座
前座 立川らくまん 『浮世床』
『短命』
『火焔太鼓』
(仲入)
『らくだ』
横浜にぎわい座20周年記念の一環。新・志らく百選が終わって、次のシリーズに入る前の特別企画。といっても、今まで通り2ヶ月に一度の高座。
しかし、THE BESTと称するだけに、志らく十八番のネタばかり。ネタ出しで。
前座のらくまんは、前座にしては上手で、まもなく二つ目への昇進公開試験公演があるらしい。
立川流は、特に志らくは厳しいのかな、前座だけど上手でしたよ。前座は羽織を着られずに着流し。
志らくが昇進に厳しいのは、談志の影響。
『浮世床』は、聞いていても演題が思いつかず。暇な長屋ものの床屋でのバカ話。寝なかった。
『短命』。さすがお得意ネタ。何度も聴いている『短命』とは違って、しかし本筋は決してずらさず古典落語。勘の悪い与太になんとか短命の理由を教えようという隠居か旦那。初めて、その姿形が見えた。
「やり過ぎ」というコトバを出していた。
『火焔太鼓』。これも良かった。古典落語だけど、志ん生や志ん朝のくすぐりを入れつつ、お大名に怒られて、虐められる有様を、生き生きと描き出す。ホラー映画を観ているよう。
こんな『火焔太鼓』は聞いたことが無い。でも、新志らく百選の時にも聞いたはずなのだけど。その時はまだ、ああ『火焔太鼓』だね、という感じだったのかな。様々な噺家の『火焔太鼓』を聴いてみると、志らくの上手さがわかる。
トリは『らくだ』。どこまでやるかなと思っていたら、最後に焼き場で、間違えて焼くところまで、きっちりと。時間の関係か、やや急いで、長屋から焼き場への道行きが薄れたが、それでも最後まで聴くのは、良いね。
ちょっとお疲れ気味。
志らくは、やはり噺家として一流だね。わざわざ聴く価値がある。
なんでも、笑点に出演するらしい。あの笑点に、あの志らくが。5月15日と22日放送。談志が始めた番組で、去ってから立川流は誰も出演していない。円楽の代演。
7月からは、新シリーズ「志らくベスト63席」が始まるらしい。行きましょうね。2ヶ月に一度で、毎回3席で21回か。42ヶ月。3年半。こっちの身体が持つかな。