4月12日(火) 横浜にぎわい座

『たけのこ』

『異議なし!』

(中入り)

色物 囃子小歌

『帯久』

 

3日連続公演で、抽選で中日が当たった。志の輔は、久しぶり。

にぎわい座の独演会は、いつも19時からなので、そのつもりで行ったら、18時半からで、10分ほど遅刻して、既に一席目が始まっていた。ガラス張りの親子席で鑑賞。

 

3日連続公演で、どういう演目になるのだろうかと思ったが、3日とも同じらしい。初日の演目をにぎわい座ツイッターで調べておいたところ、遅刻して聞いていると、どうやらたけのこがどうのこうの、と。

そうだよね。抽選発売で、優先順位は決められるけど、3日は聞けないのだから、どの日に当たるかは偶然で、その日によって演目が変わるというのは、あまりに当たり外れが大きいのではないか。

 

『たけのこ』初めて聴く。武家の隣家のたけのこがこっち側に入ってきてしまって、勝手に切り取って食べたいという話しだが、民法の相隣関係で、木の枝の侵入は勝手に切ってはならぬが、地下を通る根は勝手に切って良いという条文があって、それにまつわる小咄。

古典らしいが、初めて聴く。

 

『異議なし』は、新作。5階建ての小さなマンションのエレベーターに防犯カメラをつけるための会議が、あれこれ、話題も飛んで、何も決まらないという話し。

以前、かなりの規模のマンション管理組合の顧問をやっていたことがあって、そういえば防犯カメラなどの話しもしたよなあ、なんて。エレベーターは、1階の人は使わないが、高い階の人は必要不可欠で、なのに、その維持費は高価であって、管理組合費からの支出になるのだけど、不公平ではないか、と言う議論は、真面目に存在している。

そんな、現代的問題点に、会議で何も決まらない現実がからんだ、新作落語。

 

仲入後の色物は、小鼓など太鼓系、笛、謡い、三味線2台の5人ユニットが、現代風の歌や、古典の謡を謡い演奏する。なかなか、謡仕舞小鼓をお稽古するモノにとっては興味深いモノ。

大雑把に言って、西洋風音階と、和風音階とで比べると、和風音階が身についてしまって、心地よい。

 

トリは『帯久』、これも初めて。古典落語。

親切実直な呉服屋と、近くの良い評判がない帯屋の、栄華盛衰と、大岡越前守が登場するお裁きの人情噺。

なんで、こんな大作、これまで聴いたことがなかったんだろうか。

60分以上に渡って、志の輔はしっかりと噺しきる。ガッテンが終了して、少し元気になったかな。

上手だねえ。

やはり、一流の噺家だ。機会があれば聴くに越したことはない。