4月10日(日) 横浜能楽堂
狂言組 (和泉流 野村万蔵家)
お話 能村晶人
『万蔵』
シテ(主)野村拳之介 アド(太郎冠者)野村万之丞
(休憩)
『鎧腹巻』
シテ(野村万蔵) アド(主)能村晶人 小アド(すっぱ)河野佑紀
前日の三老女『姨捨』の感激と興奮冷めやらないまま、前夜飲み過ぎで、そのままの狂言堂なので、頭がぼけーっとして、眠い。
能村さんのお話の途中からウトウト。
『万蔵』、3回目かな。前は山本東次郎先生のシテを観ていて、「源平盛衰記」の仕方語りが至高の芸で、今度は、若手の野村拳之介さんだと、不安半分、期待半分でいたが、なんと、熟睡してしまって、肝心の部分、まったく記憶にない。
能楽師、狂言師の家系だけど、1999年生まれの、まだ23歳。東次郎先生と比べられても仕方ないか。
シテ主の登場辺りは覚えているが、語り口調が眠気を呼ぶ。
『鎧腹巻』、初めて。
道具くらべが流行っていて、鎧の腹巻きを買ってこいとアド主が、シテ太郎冠者に命ずる。例の如く良くわからないのに都に買いに出て、呼ばわると、アドすっぱに騙されるというお話。
こう言う鎧が良いとアド主に注意されてくるが、そもそも鎧を知らないので、簡単に騙されるのは、同様のお話通り。
ただ、すっぱの言い訳が、ちょっとあまりに現実離れしていて、そのまま報告するシテ太郎冠者に、あまり同情できない。そんな訳ないだろうと。
おどしの良きモノ、といって、桶を空けると、賢徳面が入っていて、シテ太郎冠者がそれを被って、アド主に向かって、取って咬もう、と言っても、ねえ。狂言曲として、あまり成功していないのではないかな。
鎧の「おどし」と言ったら、「縅」のことで、小札をつなぐモノで、胴の正面だから、一番目立つとこ。それを「威し」と掛けて洒落て、鬼の面にしてしまうのは、あまりにも突拍子もない。
そのなかでも、さすがの野村万蔵でした。こちらは、ちょっとウトッとした程度で、最後まで観ました。
前日の重厚かつ感動的なお能『姨捨』の、口直し的な位置づけになってしまった。