3月13日(日) 横浜能楽堂
狂言組 (大藏流 茂山家)
お話 茂山逸平
『魚説教』
シテ(出家)茂山七五三 アド(都の者)網谷正美
(休憩)
『鐘の音』
シテ(太郎冠者)茂山逸平 アド(主)網谷正美 アド(仲裁人)大藏彌太郎
2021年度狂言堂の最終回。来年度も続く。
茂山千之丞の体調不良によって、あちこちの舞台に配役変更があったらしく、お話が、千之丞の予定が逸平となり、『魚説教』のアドが島田洋海の予定が網谷正美になり、『鐘の音』のアド主人が千之丞の予定が網谷正美になり、アド仲裁人が網谷正美から別のお家で、大藏流の大藏彌太郎に変更になった。
島田洋海は、体調不良ではなく、関西での舞台に変更。大藏流のラインがあるようで、そこで3月13日午後2時から横浜でできる人いないか、とヘルプして、大藏彌太郎になったらしい。そういう時代なのです。家を越えた交流もあちこちあるようで。それの全体ラインもあるとか。
『魚説教』は、和泉流では『魚説法』。魚漁師の殺生に嫌気がさして、出家して、何の修行もしないで、仕事にありつこうと。たまたま遭遇したアド都の者に依頼されて、説法をするのだが、まったく解らないが、魚の名前を様々折り込んで、それらしく務める。怒られるが、笑って去る。
2021年2月に和泉流野村万作シテ以来。
沢山魚の名前が出てくるが、逸平によると、たくさん、であって、そんなにはっきり決まっている訳でもなく、繰り返し出てくる名前もあるらしい。
半分くらい、寝た。
『鐘の音』は、2019年11月に大蔵流、12月に和泉流で観て、流派の違いを解らせた企画以来で、大藏流の再演という感じ。
鐘の音を聞きに訪れる寺院は、五台堂→寿福寺→極楽寺→建長寺は、大藏流の決まりか。ただ、鐘の音の調査の仕方が、つぶてを投げる寺院が違ったはずで、極楽寺が山の上に鐘楼があるのは同じだけど、前回はここで石つぶてを放るが、ここでは副法師が鐘を撞くのを聞く。この辺りは、シテ太郎冠者の一人芝居だから、色々な個人的パターンが許されるのか。逸平バージョンか。
鐘の音と、金の値とを間違えたので、アド主に打擲させられるが、そこで、仲裁人が現れるのは大藏流のみ。
仲裁人の取りなしで、太郎冠者が、鐘の音の違いを仕方謡舞にして、ご機嫌を取る。ここの、舞と謡が、さすがにしっかりしていたことと、詞章が良く聞き取れたのは、経験による発達か。
四寺院の鐘の音を、諸行無常、是生滅法、生滅滅己、寂滅為楽と聞き分ける。最後の建長寺の鐘の音が、ご子息の差し初めには相応しいと。
こっちは、お目々ぱっちり。逸平の声は大きくて、聞き分けやすいなあ。