1月23日(日) 神奈川県立音楽堂
開口一番 前座 金原亭杏寿 『子ほめ』
春風亭一之輔 『ふぐ鍋』
春風亭一之輔 『蛙茶番』
(仲入)
春風亭㐂いち 『夢の酒』
春風亭一之輔 『抜け雀』
やや遅刻していって、開口一番が始まっていた。『子ほめ』。上手じゃ無いけど、なんだか可愛い子が座っている。
調べたら、もと女優で、沖縄出身か。一之輔にも前座さんがいるだろうけど、可愛いと言うことで使って貰えるのでしょうか。
杏寿さん、めっちゃ下手という訳でも無いから、頑張って芸道にも道を開いて、新しい美人噺家を目指してください。いずれ可愛い系は終わってしまうから。
記憶に止めますから。応援しますよ。
一之輔。横浜だからとシウマイ弁当の話しから入って、あんこう鍋の話しへとマクラが続く。うまいもの話が続くマクラ。あんこう鍋好きなんだろうし、上手そうだなあと思わせておいて、『ふぐ鍋』へ。
お題名は解らなかったけど、とにかく、全員がふぐちりを食いたくなってしまうに違いない。
ああそうだ、毎年ふぐの日(2月9日)近辺にはふぐを食べていたなあ、もうすぐだなあ、と思い出して、予約取ろうかな、なんて考えるほど。寒い日だったし。去年はコロナでやらなかったなあ。その前はどうだったかなあ。今年こそ、やるべえ、なんて真剣に考えさせる落語。面白い。
退出せずに一之輔連投して『蛙茶番』。これも聴き慣れた艶笑ばなし。「錦の褌」っていう題じゃなかったかなあ、なんて。
素人芝居で、舞台番をやらなくちゃならなくて、サボるつもりだったが、好きな子が楽しみにしていると聞いて(嘘なんだけど)でる気満々。出番前に湯屋に行ったは良いが、自慢の錦の褌を預けっぱなしにして、要するにすっぽんぽんのまま浴衣帯姿で、出るというモノ。その一物の様子。
そうか、最後のオチが、蛇に睨まれていて、蛙役が出られない、というモノだから、そういうお題なんだ。
仲入後、一之輔の弟子で二つ目の㐂いち。『夢の酒』。夢の中の話しで、モテるのだけど、それに焼き餅を焼く女房。怪しからんと中に入ったオヤジ殿も夢を見て、ご新造さんと良いことになりかけるが、それも夢だったと。
この前、兼好かなんかで聞いたかな。二つ目にしては良くできていました。もうすぐ真打ちかしら。
前座が出て、二つ目も出て、それで3席やるなんてのは珍しいが、トリは『抜け雀』。これは、お題はすぐに解る。
ちょっと変わっていて、工夫した一之輔の独自バージョンか、絵の雀が2羽と。もっといたよなあ、とおもっていた。
どうやら夫婦雀らしい。
父親絵師が来て、止まり木を書くのだけど、松の枝と、巣を描いた。そこで、2羽の夫婦雀が卵を産む。あれれ、我が記憶も自信がないし。
それを見た息子絵師。感心しているが、まだ眼が出ていないのです。江戸に帰ろうかどうしようか、宿の主は帰りなさい、ほら、絵の中の卵も孵りました(帰りました)が、オチ。
一之輔の工夫だと思うけど。ある意味べったりできあがった噺の『抜け雀』だけど、こういう工夫で新たな命が加わる。よくできたと思います。客席も受けていたし。成功。
疲労していたけど、楽しく笑えた一日でした。