11月18日(木) 神奈川県民ホール
指揮者:ピエタリ・インキネン
ブラームス:悲劇的序曲
ヴィエニャフスキ:歌劇ファウストの主題による華麗なる幻想曲
ヴァイオリン:扇谷泰明
(休憩)
ブラームス:交響曲第1番
アンコール・バッハ:管弦楽組曲3番より、G線上のアリア
首席指揮者インキネン、2年ぶりの来日実現。ワタクシは、2019年10月の定期演奏会以来。
やっと、首席としてなじんできたなあ、と思っていたら、コロナで約2年指揮できず。さて、どんなかな。前回も久しぶりのラザレフで感動したのですけど・・
オケの編成が、舞台に向かって左前が第1ヴァイオリンの、これは定位置。そこから時計回りにチェロ、中心から右に回ってヴィオラ、最右翼前線が第2ヴァイオリン。第1ヴァイオリンの後方にコントラバス軍団。吹奏関係は常と同じ。ティンパニも同じ。
前にも、こういう編成で聴いたことがあったなあ、と思い出すが、誰の指揮で、どの作曲家のモノだったか、覚えていない。
インキネンの指示だとは思うが。どうもいつもと違う方向から音が聞こえてきて、やや落ち着かない。取り分けてコントラバスの低音が左から聞こえるのは、なんとも。
オペラグラスを忘れてしまって、フルートの真鍋さんのご尊顔を拝めない。
ブラームスの「悲劇的序曲」。ふむふむ。良い曲だ。間違いなくブラームス。でもイマイチ乗らない。
ヴィエニャフスキという作曲家も知らないし、その「華麗なる幻想曲」も知らない。
でも解説によると、ヴァイオリンの名手だそうで、その作曲だから、ヴァイオリンの難曲。透き通るような高音部を、しっかりと響かせる。日フィルソロ・コンサートマスター扇谷さんの、名演奏。超絶技巧。素晴らしい。
ブラームスの「交響曲1番」、ご存じの名曲、大曲で。
始まりからどーんと腹に来て、おお、これこそブラームス。インキネンも楽団員も、息が会う感じ。
決して泣くまいと思ってきたけど、第4楽章のあのタリララララが始まるともうダメ。
あれだけ、演奏者全員の息がピタリと合うと、演奏していても気持ちが良いはずで、だからこそ一層演奏にも力と気持ちが入って、更に上化していく。これなんですねえ。能の地謡も同じだなあ、って。
こういう名曲の後は、アンコールどうするんだろうと思っていたら、やや意外な感じでバッハ。G線上のアリア。
そうか、メインディッシュを食べた後の、良好なデザート。シャーベットの感じだな。良いんでないかい。
鳴り止まぬ拍手。これは良いと思う。楽団員も去った後、インキネンが再登場。その価値はあるな。
最近、最初の楽団員の登場から拍手が鳴って、コンマスの登場でも大きな拍手。これは、あまり好かないな。
ブラームス第一番の第2楽章終了時に、一部拍手。確かに、西洋では、そういうこともあるらしいとは聞いたけど、ここは日本なので、静かに聞きませんか。何だか、西洋かぶれのようで、好かないなあ。
でも、演奏終了時すぐの拍手はなかった。これは良い。G線上のアリアでも、タクトを下ろすまで、静かに。宜しいデザートを楽しめた。