9月20日(火・祝) 大倉山記念館ギャラリー

 

Oさんは、謡・仕舞のお稽古仲間で、紀彩の会の一員。彼が、コンテンポラリーダンスをやっていると聞いたのは、もう大分前。

コンテンポラリーダンスって、何?クラシックダンスや、モダンダンスなら何となくわかるけど、コンテンポラリーって。

 

そのOさんが、2021年9月に、公演をするという。

公演の題は、「The SEVEN SEAS 2021」。たって、何のことかわからないけど、とにかく、どんなモノなのか興味があったので、参加。

 

9月17,18,19日の三日間、一人ずつ、一人の持ち時間大体1時間半で、7人のダンサーが、一部の群舞を除いて、基本的に一人で踊る。サポートは全員で。

Oさんは、20日の2番目。チケットは、各ダンサーごとに販売される。通し券もあるようだけど。まあ、要するに、一人ダンス。

 

大倉山から、楽しい坂を登って、大倉山記念館へ。初めて行った。なかなか良い公園の中にある記念館。その中の、ギャラリーを使って踊る。ホールなのではないのです。

回廊式のギャラリーと、中庭を使用して、ダンサーも移動しながら、観客も移動しながらということ。開始前に、ギャラリーの見学もしたけど、あちらこちらに椅子や、机、カメラなどが置いてあって、それは結局、ダンスの小道具だったのだけど、そうとは気づかない。

 

開始すると、釣りの服装をしたダンサーがギャラリー入口から口笛を吹きながら登場して、真っ正面に「ダンスを釣る」と書かれた書みたいなモノをかかげる。

ああ、これがテーマなのか、と思う。

それからは、あちこち移動しながら、椅子に長時間座って動かなかったり、中庭の掃除をしたり、水泳をしたり、相撲をしたり、などなど、一体何なのかしら、と、テーマを追いかけている自分がいる。

が、そうじゃないのかもしれない。

テーマに沿った舞踊という範疇を超えたモノなのかも。要するに、むしろ、自分がダンスすることの喜びみたいなモノか。何か表現をしたいとか、訴えたいモノがあるか、ということとは関係ない。

 

所々に、能の舞の仕草が組み込まれている。これは紀彩の会でのお稽古と結びつく。犬の鳴き真似をするときに、ビョー、ビョーいうのは明らかに狂言。

ダンサーの眼に注目。人間どうしても、動くモノがあったり、知っているヒトがいたりすると、眼が泳ぐというか、そちらに眼が向く。しかし、じっと虚空を見つめて、眼玉が動かない。これは、お能の直面(ひためん)か。

それにしても、15:30から始まって、16:45まで、演技上動かない時を除いて、動きっぱなし。演技上動かないのは、緊張が抜けていないから筋肉疲労は凄いモノがある。これも、能の仕舞でのカマエに似る。

 

ふーむ、まだよく理解出来ないけど、理解するモノではなくして、感じるモノ、参加するモノなのかもしれない。

Oさんは、仕舞のお稽古を通して、動と静の融合という観念を建てられたのか。コンテンポラリーダンスの中でも、新しい見地なのかも。他を見ていないからわからないけど。

68歳にして、新しい体験。