9月18日(土) 杜のホールはしもと
開口一番 柳家小はぜ 『道灌』
柳家一琴 『三人無筆』
(仲入)
柳家三之助 『替り目』
柳家小三治 『粗忽長屋』
6月19日にBSPで放送された、ザヒューマン「止まらない男 はなし家柳家小三治」という番組があって、2021年1月8日開催の柳家一門会を中心に取材し、2020年12月で81歳になった小三治の特集番組だった。
今回のチケットは、その番組直後に知って、購入した。
場所は家から近いし、小三治も高齢だし、こういう機会は逃すと後で後悔するかな、ということ。
台風が近くを通る最中、出かけていった。会場に入っての下がりには「柳家一門会」って書いてあって、あれチト違うかな。
確かに、チラシには、一琴と三之助の出演が書かれていたが、小三治は2席演ずるモノと思い込んでいた。
開口一番の前座は、まああきらめがつく。仕方ないよ。
柳家一琴の『三人無筆』、初めて聞く噺かな。字が書けない無筆が、葬儀の帳面、というか受付の名前を書くことになってしまう噺。故人の遺言だと、銘々署名だと言い訳をしてしのぐ。そこに書の先生が現れて、代行署名なら構わないと。その先生も帰ってしまった後に、本当に無筆のモノがやってきて、という噺。
あまり面白くない。
柳家三之助『替り目』、こういう題だったかな。酔っぱらいの話で、酔って帰ってきて、もうちょっと飲みたい亭主が、女房に絡む。おでんを買いに行かせる。
聞いたことがある内容だけど、人力車を近くの自宅まで乗ってきたり、鍋焼きうどんを食うという噺の中の出来事じゃ無かったかな。何だか、???な状態。あまり面白くない。
一旦幕が下りて、上がると、小三治が、椅子に座って、前に見台を置いている。膝を痛めて、正座出来ないのだと。
相変わらず、何も考えていないような、脈絡もないような、マクラ。橋本は初めて来たとかなんとかから。
まあ、これはいつものことだから、良しと。
『粗忽長屋』。これは、BSPの番組でも口演していた。最近はこれが多いようだ。上手なんだけど、今ひとつ、大笑い出来ない。そういう噺家じゃないのか。この人間国宝、登場するだけで、価値があるんでしょう。慣れた演目だけ、繰り返し喋っていても、客は文句を言わない。そういう価値がある噺家なんだ。
けどね、もう良いな。小三治は卒業しようかな。
確かに、ああいう、奔放に喋る噺家、それが許される噺家は、他にはいないけどね。柳家は、三三だよ。