8月12日(木) 横浜にぎわい座

開口一番 柳亭市遼 『たらちね』

二つ目 柳亭市次郎 『道具屋』

『天災』

(仲入)

『猫忠』

 

開口一番の柳亭市遼は、前座ですらない、見習いだって。それが高座に上がれるのかしら。えらく緊張していて、浴衣の着付けも変だし。でも、『たらちね』はちゃんと覚えていました。例の、つるじょつるじょ・・、ね。

 

2番目に登場した柳亭市次郎は、去年2月に二つ目になったそう。マクラから、言葉に詰まって、しゃべりだけ聞くと、市遼以下。下手。ああ、『道具屋』だな、と思ったら、即寝ていた。拍手でお目覚め。年数で二つ目になっただけ、これが更に年功で真打ちになるとかや。なっても喰えるでしょうか。

 

いよいよ柳亭市馬の登場。姿からして貫禄がある。いつも市馬は、弟子達が無能であることを最初に語るのだけど、確かに、登場してくる開口一番などは下手なのだけど、そうすると、さすが市馬と、客が満足する効果あり。

マクラは、先代の正蔵師匠の話。市馬が入門した頃、もう先代正蔵は80を越えていたらしい。そんな思い出話。

『天災』、無難にまとめた。貫禄だね。前座、二つ目との違いを際立たせる。気の短い江戸っ子が、屋根から瓦が落ちてくる、大きな広い野原で夕立がざーっと降って来てびしょ濡れになる、仕方がない、が言わせたい。人生訓だね。

 

『猫忠』、これは初めてでした。美人のお師匠さんに芸を習いに行くが、そこに、常アニが来ていて、よろしくやっているのを覗き込む。スワ、と奥様にご注進に行くが、常ニイは伏せっていて、外出していない。不思議だと、今度は常アニと一緒に師匠宅へ。そこにいたのは、猫が化けた常アニ。

化け猫が自白するシーンで、笛三味線の音曲あり。三味線は落語協会のお姉さんだけど、笛は、誰か弟子。市次郎はこれを出来るのか。だから、話しは下手でも連れてきたか。まあ、それでも一芸があれば、食っていけるというもの。

この話しのマクラで、市馬は、暇な二つ目の頃、能管を習ったとか。ピーッと鳴るまでの苦労や、面倒見の良い先輩達の話し。芸人魂を語って、弟子達の教育。

客も、珍しい演目で、満足。さすが、落語協会会長ということ。満足、満足。