8月2日(月) 国立能楽堂
一調 『笠ノ段』 (観世流 梅若会)
シテ謡 梅若実 小鼓 曽和正博
狂言 『鎌腹』 (和泉流 三宅家)
シテ(太朗)三宅近成 アド(妻)三宅右近 アド(仲裁人)高澤祐介
(休憩)
能 『三輪』・神遊 (喜多流)
シテ(女 三輪明神)友枝昭世 ワキ(玄賓僧都)森常好 アイ(所の者)山本泰太郎
笛:松田裕之 小鼓:鵜澤洋太郎 大鼓:國川純 太鼓:小寺真佐人 地頭:香川靖嗣
東京オリパラ能、2回目。今回も脇正面。正面席は、関係者、今回は喜多流の方で占められているんじゃなかろうか。
暑さと疲労の中でも、参加。
今回は、一調、梅若実がないと、チケット買わなかった。
角当直隆さんに支えられながら登場。葛桶に着す。と、同時に謡い始める。『笠ノ段』は、もともとの能『芦刈』も見ていないし、理解は困難だったけど、実先生の透き通るようなお声はさすが。なかなか面白い節回し。
よく見ると、白い髭を蓄えていらっしゃる。7月18日の梅若定式能では気付かなかったから、それから伸ばしたのだろうか。
退場時にも、角当さんに支えられて。8月7日(土)に予定されている富士吉田梅若薪能で『一角仙人』シテが予定されているけど、大丈夫かしら、かなり不安。
狂言『鎌腹』は記録上4回目だが、野村万蔵家、山本東次郎家、野村万作の会で、和泉流三宅家は初めて。
体調不良とかで、シテが三宅右矩から近成に交替、更にアド仲裁人役予定だったので、高澤祐介に交替。
実先生の退場とほぼ同時に、騒がしく3人が登場。あれ、ぴったりだな。もう少し、時間空けたらば良いのにとか、思っていたら、何と眠ってしまった。自分で腹に刺そうとする辺りも、前回21年2月狂言堂で聞き漏らした「きくんじょ?」の確認も出来ず、終演の拍手で目覚める次第。ムムム。ま、そういうときもあるさ。
能『三輪』は2回目。2019年11月に横浜能楽堂のかもんやま能、シテは観世銕之丞と記録にあって、このときのブログを読み直すと、かなり感激した様子が見えるけど、今回は、さほどでもなかった。眠かったし。
でも、人間国宝友枝昭世の舞、後場の舞は美しく、優雅で、キチンとしていて、ここは眠くならなかった。
脇正面から舞台を見ていると、裏での後見の働きがよく見えて、それはそれで面白い。中入り、シテは作り物のなかに入って、衣装から面から全部女から三輪明神に変わる。その変わり身が、本曲の見どころともなるのでしょう。後見がかいがいしく、忙しく手伝って、完成。幕を引き下ろして、あれまあ、神様の登場だ、すげーってことになるんでしょう。
前回のブログでは、間狂言が、なかなか色っぽく男女の性行為を語ったと記録にあるけど、今回はそんなことなかったよね。聞き漏らしただけか。間狂言の語りは、詳しい解説がないから寂しいな。泰太郎さんのハコビは美しい。
プログラムに書いてあった附祝言はなかった。そうだろうね。神の舞で終わるのだから。
入場時も退場時も、能楽協会の幹部たちがお出迎え、お見送り。大変ですね。