7月8日(木) 横浜にぎわい座

開口一番 二つ目 立川うぃん 『短命』

『花見小僧』

『お七』

(仲入)

『抜け雀』

 

開口一番の立川うぃんは、1月1日付けで二つ目になったんだとか。こういう回は通常前座が勤めるのだけど、なったばかりの二つ目。まだ、お披露目が済んでいないからか、コロナの影響か。

『短命』を、省略バージョンながら、それなりに。二つ目レベルではあるが、あまり面白くはない。下手でもない。

 

『花見小僧』は、『おせつ徳三郎』という心中ものの導入部を、独立したお話しにしたものらしい。おせつお嬢様と手代くらいかな、徳三郎が、ばあやと定吉と花見に出かけるが、その時の様子を、旦那が定吉に、小遣いを約束したり、灸を据えると威したりしながら、聞き出そうとする話。大店の小僧定吉が、小ずるく振る舞うのを、威し透かししながら聞き出す旦那とのやりとり。

忘れました、と答えると、じゃあ灸を据えて思い出させるぞ、と。お灸ってのは、物忘れの特効薬なのか知らん。

 

『お七』は、初めてかも。縁起担ぎで、悪いことばかりいう熊さんに対して、どう対抗するか、という話し。なんでも、いちゃもんを付けて、気分を悪くさせるのが得意。

子供ができて、お初と名付けると、おせつ徳三郎にかけて、心中するんだと悪態をつく熊。仕返しに、熊の子どもの名前がお七とわかると、八百屋お七にかけて、火付けをする、と復讐しようとする。が、見破られてしまう。

それだけの、嫌らしい話だそうだけど、志らくは、独自に話を加えて、のぞきからくりの話に持っていく。この持って行きようがかなり強引だけど、のぞきからくりの口上というのがあって、こういうのは志らくは得意。というか、他にはできない。替え歌で受けるのと同じだけど、こちらは、ホンモノの口上を語る。なかなか上手いものだし、よく覚えているよな。

この口上語りの部分は、出色でした。

 

『抜け雀』。生で聞くのは久しぶりかも、というほど知られた噺だけど、まあ、しっかりと。35分かかった。あまりイリュージョンにはならず、くすぐりも少ないが、普通の上手な噺。普通の上手、というのは、良い方です。最近は、沢山の噺家をテレビなどでも聞くけど、ベテランでもそれなりに、という程度だから。これは、というのはあまりない。

志らくは、巧い方です。

 

さて、これで、九十二席終了のハズ。後八席。来年の1月が最後かな。後3回。行きますよ。