6月25日(金) 横浜にぎわい座 のげシャーレ

『こじらせ親分』

『天災』

(中入り)

『牡丹灯籠より お露新三郎~お札はがし』

 

勉強会というのは、落語家でいえば、二つ目が、真打ちとなって自分の独演会を開けるようになるまでの、実験的落語会。開口一番や、色物、二つ目の出演はなくして、一人で3席くらい喋る。手伝いの前座も連れてこないか。

ネタも、お勉強して修行中というのが多くて、今回も、新作から始まって、それなりの古典、そして大作、圓朝作の『牡丹灯籠』の一部。

 

のげシャーレは、定員140名くらいのところ、コロナで半数だけなので、70名くらいか。売り切ったとか。

三遊亭わん丈は、売り出し中の二つ目で、真打ちも近い。真打ちとのコンビでの落語会もある。例えば、7月24日、国立演芸場で「解説と落語」という妙なお題で、親子で楽しむ演芸会のスタートを務める。

1982年生まれ。師匠は、三遊亭円丈。2016年二つ目。

国立演芸場での、定期的勉強会もやるらしい。

 

『こじらせ親分』。何だか良く解らないマクラから、気がつくと、あれ、新作落語かな、という導入。わるくない。が、若者の言葉遊びの面もあって、爺さんにはついて行けない。若者ウケならば良いんじゃないのですか。

 

『天災』は、気の短い江戸っ子が、ご隠居にやりこまれる噺。小僧に水をかけられたらどうする、屋根から瓦が落ちてきてその家が空き家だったらどうする、広い野原でざーっと夕立でびしょ濡れになったらどうする、天災で仕方がないからあきらめる、と追い込まれるという噺。

こういうネタだと、爺さんにも解る。大体、こんな勉強会には若者、あまり落語を知らない若者は来ないのだから、新作を試してもダメ。取り分けてのくすぐりもないけど、まあ、二つ目にしては上手。

足が痺れたらしく、終わって立ち上がれない。

 

中入り後は、三遊亭の大御所、落語の神様、圓朝作の『牡丹灯籠』。やはり、三遊亭だから、圓朝作は自分のものにしたいのだろう。

噺は、実に複雑な人物関係で進むので、あまり知らない人向けに、大きな扇子状の張りものに、人物関係図など書いて、今日話すのはどの部分だとわかりやすく、書いて表示する。

おそらく、ご本人自体の勉強の中で、どうしても人物が覚えるのに難しく、大変だったので、図解したのでしょう。確かに、聞き込んでいないお客には、便利で解りやすい。が、今回の勉強会客は、大体知っている層。

その中から、お露新三郎の段と、お札はがしの段を、すっ飛びすっ飛び、マクラも雑談も含めて、1時間で。

にぎわい座といえば、桂歌丸が、圓朝ものをじっくりと語っていたので、どうしてもそれと比較してしまうけど、若者向け、落語にあまり馴染みがない客向けには、良いんではないか。爺には、物足りない。

自分の落語で、どの客層を相手とした噺をするかは、それぞれなので、仕方ない。

でも、悪くはないので、次回は来年の1月にあるらしく、その時には、今回の続きの『牡丹灯籠』を話してくれるらしいので、どのくらい上達するか、ということで、次回も聞いてみようかな、という高等遊民。

 

前回のブログ、「梅若会素謡会」が、非公開になっています。一度公開したのですが、ちょっと問題があって。その辺の事情は、また書きます。