6月19日(日) 東京国立博物館

 

まず平成館で、特別展「国宝鳥獣戯画のすべて」鑑賞。完全予約制で、土曜日の午前10時に予約が取れた。

第4派の緊急事態宣言によって、本展は中止になってしまって、予約していたのがパー。博物館が解禁されて、すぐに再トライして予約した。前回の予定は、鳥獣戯画展の後に、近代美術館に廻って「あぶない絵展」もはしごする予定であったが、後者は中止されたまま再開されなかったので、断念。東京国立博物館だけに集中しましょう。

 

あまり混んでいないので、ゆっくり鑑賞した。

第1会場が、国宝鳥獣戯画のすべて。

甲巻、乙巻、丙巻、丁巻、4巻すべてが同時開催されるのは初めてとか。というか、鳥獣戯画のホンモノを見るのが初めてだったので、なんでも感動的。

甲巻は一番のおなじみ。誰でも観たことのある動物の戯画。兎、猿、蛙など。擬人化する。墨と筆で一筆書き。素晴らしいデッサン力。構成力。ただ、あちこち切り取られていたり、順序が動いていたりして、現存する甲巻をずっと見ても、絵巻物にはならない。

甲巻だけは、動く歩道に乗って鑑賞する。

乙巻は、動物図鑑のよう。

丙巻は、前半が人物戯画、後半が動物戯画。

丁巻は、人物主体。

すべて、京都の高山寺所蔵品の、国宝。

一生のうちには見ておかないとね。全巻揃う今回がラストチャンス。

 

第2会場は、鳥獣戯画の断簡と模本。断簡とは、切り抜いてそれだけ表装などしたもの。一旦あったはずのホンモノを切り抜いて、処分してしまう、というのは理解できない。有力者や、金持ち檀家から依頼されて断り切れなかったのでしょうね。

模本というのは、広辞苑にも載っていないので推測だけど、写本とは違って写すのではなくして、模範として、写すという作業か。だからそのままではなくして、なるべくホンモノに似せるのではなくして、その雰囲気を似せる、ということかな。

 

ここまで、初めて、音声ガイドを借りて鑑賞。600円。デポジットではなくして利用料。高すぎるでしょう、国立なのに。

 

次いでは、明恵上人と高山寺展。鳥獣戯画がある高山寺と、その有名住職である明恵上人の展覧会。まあそうね、という程度。鳥獣戯画だけでは、平成館が広すぎるし、入場料もね。無くても良い。

 

平成館を出たら、12時を少し過ぎる。2時間。入口に90分を目処に見てください、と案内があったけど、まあよろしいでは無いですか。並んで待っている時間もかかったし。

 

東京国立博物館内で、唯一営業しているレストランで昼食。野菜カレー。美術館や博物館内のレストランは嫌いではない。世田谷美術館、箱根のポーラ美術館はそれぞれ思い出がある。アルコールの提供はなかったが。

 

立ち去りがたく、法隆寺宝物館へ。何回か東京国立博物館に来ているが、いつも特別展だけか、せいぜいが本館を駆け足で見るだけなので、今回は、チト余裕を持って、法隆寺宝物館も。

誰も見学者がいないかと思ったが、結構来ているんです。ちゃんと楽しむというかお勉強していて、優雅だなあ。

奈良の法隆寺の仏像などの宝物を、明治初頭、天皇家に寄贈して、東京に保管されていて、それの宝物館。割と新しい作りの建物だから、戦後は間違いない。

あんなに沢山の仏像などを、法隆寺は持っていたんだ、と感心。

鋺(まり)というのがあって、そういうモノを知らなかったから何だろうかと。広辞苑によると、水・酒などを盛った器、だと。椀は木製だけど、鋺は、金属製。多分酒が入っていたんだろうと想像しながら見ていたが、当たり。かなまり、と入力すると出てくる。

仏像以外の生活用品が、素晴らしいのが沢山遺されている。民芸品ではないのでしょう。もっとエライ人用。

 

ゆっくり、東京国立博物館内の館を見て回る余裕があればよろしいのに、と思う。お近くに住まいする方は、特別展を除けば1000円だから、一日1000円でお勉強と鑑賞ができて過ごせるというのは素晴らしいことではないか。

 

帰宅途上に、新宿へ。かつて学生時代は、東口広場で2万人の選挙最終日の演説会。

人混みが凄いが、タカノフルーツパーラーに行ってみようと。67歳の爺が行くところではないし、初めてだけど、この際行ってみようと。更に、フルーツパフェなるモノを食す。高いのねえ。美味しいのねえ。

でも、もうすぐ死んでしまうかもしれないから、一生一度も行かず、フルーツパフェも食べないのは、それこそ一生の不覚と心得て。

興奮しましたねえ。結構若い男女も来ていて、豪華なフルーツを食べている。日本は豊かだ。爺は居ない。

もしアルコールが提供されていたらこんなお店に入ろうとは思わなかっただろうから、コロナ自粛効果か。

コロナで、初体験する高等遊民。悪くない。