6月16日(水) MOVIX橋本

原作:南杏子 (現役医師)

監督:成島出

配役:

 吉永小百合(白石佐和子)・・まほろば診療所医師

 松永桃李(野呂聖二)・・同、運転手、医師国家試験受からない。

 広瀬すず(星野麻世)・・同、看護師

 西田敏行(仙川徹)・・同、所長

 その他、患者役など・・

 

まったく偶然に、橋本で時間が空いたので、時間つぶしも兼ねて、鑑賞。

前から観たいなあ、とは思っていた。シルバーで1200円。

 

物語は、都会の救急救命医療で働いていた、吉永小百合の白石佐和子は、あることで責任を取って辞職し、故郷の金沢に帰って、まったく別の分野の在宅医療専門の診療所に勤務する。

所長が、西田敏行の仙川徹、看護師が、広瀬すずの星野麻世。更に、佐和子が勤めていた病院から、医学部は卒業したものの医師国家試験に合格せず、アルバイトで働いていた、松永桃李の野呂聖二が追っかけてきて、加わる。

最先端の救急医療を行う大病院から、まったく異なる分野で、治療と行ってもさしたるモノもできず、患者に寄り添い、死を見取ることが多い、在宅医療医院に移って、最初は戸惑うが、徐々にその医療に目覚めていき、成果も上げて、在宅患者たちに受け入れられ、頼りにされていき、新しい医療にのめり込んでいく。だが、最後は、自分の父が、安楽死を持ちかけて、困惑する佐和子。

野呂も、目覚めて、再度医師国家試験に挑戦し、医師資格を得た暁には、まほろば診療所で働くことを決意する。

 

という、まあ、難病モノではないけど、高齢化社会とか、高度な医療とか、問題を抱える医療現場にあって、完全に希望は持てないけど、意義を見いだして奮闘する医療関係者群像、と、その中での患者の心理、不安、苦しさを描いた作品で、まあまあ、見応えのある映画でした。

 

ところで、この映画は金沢の宣伝番組みたいな面もあって、四季折々の金沢の風景や食を映し出す。個人的には、この点に関心と喜びを感じた。

娘と孫が、まもなく金沢に転居する。先日、その住居地探しの下見に出かけて、結構あちらこちら廻ったのだけど、その場所と近くて、あああの場所知ってるとか、あの橋だね、犀川だね、等などと。

吉永小百合の佐和子が、金沢に帰ってくる。金沢駅で降りて、あのモニュメントの下を通って、バスで実家に向かう。降りるバス停は「井原台」。ずいぶん古びたバス停で、トトロに出てきそうなんだけど、その前のバス停名が「泉野」でビックリ。まさしく、娘と孫が暮らすことになる町。先のバス停名は「明福町」。全部架空のバス停だとは思うけど、親近感が抜群。

更に、兼六園や、西茶屋街、犀川大橋、犀川のほとりの料理や、多分、香林坊の近く、などなど、これから娘と孫が暮らす地域の雰囲気が良く解って、ああ金沢は良いところだ、と住みたくなるような。

新しい生活を始めるに当たって、不安がいっぱいの中、良い映画でした。転居が楽しみになった。