5月27日(木) 町田市民ホール

3人のコント 『弟子の命名編』

春風亭朝枝 『普段の袴』

三遊亭歌武蔵 『稲川』

(仲入)

柳家喬太郎 『へっつい幽霊』

三遊亭兼好 『お見立て』

 

落語教育委員会って、何だろうかと思ったら、なんでも以前からある落語ユニットの名称で、歌武蔵と喬太郎と、もう一人だったが、その方が亡くなったので、兼好が加わったとか。

町田に来るのも、何年ぶりだとか。いつもこのユミットはコントから入るのだとか。知らんかった。

 

コントは、歌武蔵が洋服で、兼好が着物で座っている。歌武蔵が先輩役、兼好が二つ目役。兼好が真打ちになるので、師匠に命名をしてもらうという設定。師匠役の喬太郎は、風呂敷をマント代わりにして登場して、2人が座る前を行ったり来たりしながら、話すだけ。

いざ、命名しようとすると、2人にそれぞれ電話がかかってくるが、それが邪魔になって、師匠役の喬太郎がまともな命名をしない。不健康だ、バッハにしろだ。その最中にぎゃくを飛ばすが、良く解らない。東京の寄席にあまり行かない町田の客は、他の落語家に話を振っても、笑いは取れないのです。

最後のオチは、三遊亭緊急事態宣言にしろ、と。何故か。緊急事態宣言は、延長されるから。圓朝ですね。

つまらん。落語の方が良い。

 

3人会なのに、二つ目が登場。一朝の弟子らしいが。ゆっくり登場、ゆっくり座って、ゆっくりお辞儀。それがスタイルなのか。

『普段の袴』。許せよ、と侍。煙草を吸って、鶴の絵を谷文晁作と誉めて、煙管を吹くと火玉が袴に飛ぶ。慌てず、いささか普段使いの袴である、と悠長。

格好いいなと真似しようとした慌て者の長屋モノの噺。

まあまあ、ですね。

 

歌武蔵は、もと相撲取り。どこまで出世したか解らないが、引退して落語家にという経歴。為に、マクラも、噺も落語関係。

マクラでは、NHK解説者の北の富士の真似というか、おかしな反応を集める。相撲好きならば良く解る。

本題は、大阪の大関、稲川十五郎が江戸に出てきて相撲するが、強いのだけれども、ご贔屓筋がつかない、おコモさん(乞食)の真似をした贔屓から、蕎麦を奢って貰って、素直に喜ぶ、それを見て実は河岸の仲間のおコモさん、こっちも喜んで河岸の仲間で大々ご馳走をするという、おめでた半分の、人情噺。

悪くはない。独演会では行かないなあ。

 

喬太郎。トリかと思ったらここで出てきた。今回は、コントがハチャメチャ路線だったから、またハチャメチャ新作でもやるかなと思ったら『へっつい幽霊』。怪談話でもない、爆笑話でもない。まあしっかりした噺で、喬太郎では初めて聴く。

良い。

 

兼好がトリ。いつもの、左手に扇子を掲げた格好で登場して、あまり枕を振らずに、本題へ。ご存じ『お見立て』。花魁の喜瀨川が、嫌いな田舎客が来たのを、なんとか言って帰らせようと、若い衆にあれこれやらせる。病気だ、お見舞いさせろ、死んだ、墓参りさせろ、と。で、近くの墓場に行くが、間違える。そこで、適当な墓を見繕ってくれ、見立ててくれ、という噺。

やはり、兼好は良いよなあ。

三遊亭兼好は、五代目円楽一門会だから、寄席には出られないのでしょう。で、六代目円楽は笑点のレギュラーだし、日和って客演だか何だか寄席にも出られているし、円楽党の事実上の党首は兼好。十二分にその実力あり、人気もある。兼好の独演会ならば、行きたい。六代目円楽の独演会は行かなくなった。

 

高等遊民、ご贔屓の1人。