5月7日(金) 横浜にぎわい座

開口一番 三遊亭ごはんつぶ 『初天神』

『しの字嫌い』

ゲスト 隅田川馬石 『四段目』

(仲入)

『大工調べ』

 

妙な名前の前座。三遊亭天どんの弟子だとか。大きな声で、滑舌も良くてまあ上手。ただ、親と子の声の差がわかりにくく、目をつぶって聞くと、親だか子だか解らない。

『初天神』だということはすぐに解るけど、常とは違って、縁日に行くまでの部分が長い。工夫しているのかしら。飴と串団子でお終い。

 

『しの字嫌い』、初めて聞くかな。旦那と使用人が、「し」の字を口に出したら、互いに罰があるという滑稽噺。アホらしい内容だけど、噺家自体が、「し」を使いそうになりそうなのに、落語で、演技で使わないようにとどめるのは、結構難しいのじゃないだろうか。三三は、言い間違えないで、できました。実力者だねえ。

 

ゲストは隅田川馬石。五街道雲助の弟子。その一門会で知って、今回の落語会のゲストであることは喜ばしいと、期待していました。なんでも、三三と同期(同年入門)だそうだけど、何ヶ月か三三が先で、それでも上下関係がある上に、更に、二つ目や真打ち昇格で差が付いたとか。三三は、飛び抜けているからね。

でも、馬石さん、好きですよ。あの飄々とした雰囲気。しかも、雲助という江戸落語の型をきちっと守る師匠の弟子だから、その力もあるはず。

良く解らないマクラの後で、芝居が好きな丁稚を旦那が叱る話の『四段目』。叱られて蔵に閉じ込められた丁稚が、腹が空いているのだけど、芝居の四段目をやっているという話。芝居の振りを聞かせるのだが、やや声が小さくて、芝居の内容が伝わってこない。あまり歌舞伎は見ていないのかな。

 

仲入後は、ネタ出しの『大工調べ』。軽くマクラを振って、早速。

例の頭領の啖呵の部分は、淀みなく、しかし、早口にはならず適度の早さでキチンと聞ける滑舌で、語る。なるほど、こういう啖呵もあるんだなあ。江戸言葉で、トントントンっといくだけが能じゃない。

その後の、喧嘩話が続いて、いざお白洲へ。ここでの話が、端折ることなく、しっかりと。ネタ出しだから、最後までキチンと。あんなにお白州を出たり入ったりするんだっけか。

最後のオチ。細工は隆々仕上げをご覧じろ、が定番かと思っていたが、奉行がさすが大工だなあ、頭領が調べは付いているとか、なんとか。そうか、だから『大工調べ』なんだ。初めて、題名とオチが結びついた。

 

三三は、いつも間違えてしまうのだけど、さんさん、ではなくて、さんざ。最近、個人的には一押しの噺家。チケットが取りにくくて。すぐに売り切れ。だから、7月に、三人会、二人会のチケットをゲットしてしまった。

このにぎわい座のハマの十番勝負も毎月取りたいのだけど、なかなか、難しい。