4月12日(月) 横浜にぎわい座
開口一番 柳家り助 『寿限無』
『強情灸』 三遊亭わん丈
『宿屋の仇討』 瀧川鯉昇
(仲入)
『大師の杵』 三遊亭萬橘
『抜け雀』 古今亭志ん輔
この落語会は、噺家と言うよりも、演目が中心に組まれた会。すべて、4席とも、神奈川が場になっている。
すなわち、
『強情灸』は、横浜のどこぞのお寺とか。知らなかった。わん丈はそこに今回話す前に行ってきたとか。
『宿屋の仇討』は、神奈川宿。
『大師の杵』は、川崎の平間寺辺り。大師様ね。
『抜け雀』は、小田原宿。この3話は、噺の中に場所が出てくる。
つまり、必ずしも得意な噺という訳ではなくして、プロデューサーが、多分まず最初に噺を決めて、それを誰に語らせるか、という順に決めたのでしょう。
客も皆、そういう落語会だと知って参加しているはず。寄席形式ではないし、独演会などの噺家追っかけでもない。
噺家から見てみると、まずネタ出しというか、ネタを指定されて、さてどうして話そうか、ということか。
開口一番は、ホントに最近珍しい『寿限無』。これは神奈川には関係ない。
三遊亭わん丈は、『強情灸』を割られて、困ったんじゃないかな。だから、その舞台となるお灸のお寺に行ったりして取材して、一生懸命。必然的にマクラが長くなる。
瀧川鯉昇は『宿屋の仇討』は、結構こなしている演目だった様子。さすがのベテラン。何度もしゃべったことはあるのでしょう。そつなく、というか立派に。あまりくすぐりはないのは、そういう芸風だから。落ち着いて聞いていられる。
三遊亭萬橘は『大師の杵』。有名ネタだから持ちネタではあったんだろうけど、あまり演じたことがなかったかな。マクラとくすぐりが満載で、会場の笑いは一番取ったけど、まあ、『大師の杵』だね、という感じ。噺そのものの面白さではなくして、その周辺で笑わせる。それが芸風かどうかは知らない。
トリの古今亭志ん輔は『抜け雀』。これは誰もができなくちゃならない演目でしょう。落語の初心者でも知っている。それだけに却って難しいのだけど、まあ、志ん輔。たっぷりと。途中寝てしまったけど。
こういうプログラムの落語会も悪くはない。また秋にもやるらしい。実験的だけど。神奈川なんて、吉原や吾妻橋ほどネタに登場しないから、どう続くかしらん。ああ、『大山詣り』なんてのもあるか。
次回、秋の会、どうしようかな。