3月7日 横浜市西区公会堂

開口一番 前座 三遊亭しゅりけん 『一目上がり』

三遊亭兼好 『紀州』

桂宮治 『大工調べ』

(仲入)

桂宮治 『皿屋敷』

三遊亭兼好 『徂徠豆腐』

 

最近、2月か、真打ちになったばかりで、二つ目時代から超人気の宮治の落語会があるというので、購入。

去年の講釈師伯山に続いて、真打ち披露興行が、あちこち超入り満員で大変らしい。寄席興業での披露が、最後は、いつも国立演芸場で、3月中席が、寄席場の真打ち披露になるらしい。行くかな。

寄席で一杯一杯なのに、前から決まっていたのでしょう、この日のホール落語。昼の部が、兼好と宮治、夜の部が兼好と一之輔。夜は疲れるし、とにかく宮治を聞いてみたかったので、行ってみました。

 

密を避けるために、演目の張り出しがないので、記憶を元に、ネットで調べて正式名称を。

聴いている時はわかった気になるけど、さてなんだっけかと帰りの電車で思い出そうとすると困難。思い出す行動が、認知症予防になるのですよね。

 

前座のしゅりけん。始まりは早口で聞こえないけど、ちょっと落ち着いてきたら、噺が聞こえた。

最近の前座噺ではなくて、ご隠居に熊さんが書画の褒め方を教わって、あちこち廻るという、よくあるパターンではあるが、書のつもりで誉めたら、『賛』だといわれ、『詩』だと言われ、『語』だと言われ、段々と数が増えていく、最後は『句』だ、でオチ。何だか久しぶりに聴いた。良かったですよ。

 

主役の兼好『紀州』。トンテンカンが、テンカトルに聞こえるという、八代将軍に尾州候か紀州候かというお話し。最後は、鍛冶屋が熱いモノを、水に突っ込んで、「きしゅー」と音がするオチ。まあ、面白いですね。もう弟子を3人抱える真打ちの師匠なのだから、人情噺でもしっくり出来れば良いのですが、と言いつつ、お笑い系のお噺をまとめて。

 

実際のお客のお目当て、桂宮治。何しろ、寄席では満席札止めなので。

軽い、声が大きい、客を持ち出しながらの、披露興行ネタマクラの後、『大工調べ』だ。で、あの啖呵がどうなるかしらと思ったら、咬むことも詰まることもなくして、啖呵を喋りきって、宮治色は出ていないけど、上手でしたので、客席からも拍手。

 

仲入後、終わったら直ぐに池袋に行かなくちゃと言う宮治の『皿屋敷』。エンタメ系のところが新しく、現代的だが、あまり怖いお話し部分はなくて、さらりと一八枚にしてしまって、お終い。チト物足りないけど。まあ『皿屋敷』。

 

最後のトリは兼好の『徂徠豆腐』。本来人情噺なんでしょうが、お笑いも十分にふくませて、豆腐屋の物語をしっかりと。さすがに、兼好でした。

 

最近の、高等遊民のご贔屓は、爆笑系では志らく、一之輔、兼好、志ん輔。人情しっくり系では、三三、雲助。

宮治は、どこまで食い込むか。

同じ噺でも、こんだけ違うのだ、ということが解りかけてきて、なるほど落語は面白いと思い始めています。

今週は、志らくと、雲助一門。