3月5日(金) ジャック&ベティ

 

2018年 ロシア語 モノクロ

 

いわゆる「産業党事件」の裁判を映し出した映画。

 

見ている時は、なかなか刑事訴訟法的に正確に運営されているな、とか、被告人達(=反革命の技術者集団、インテリゲンチャ)の自白の様子に、ホントに、判決も仕方ないな、と思ったり。

登場人物も、インテリゲンチャの技術者達、実際の法律家、などと思われた。

裁判会場の外で、裏切り者に死刑を、と叫ぶ群衆達、傍聴しているもの達の真剣な表情と死刑判決が下された時の歓声に、やや驚いたが。

 

まんまと騙されたのだ。この裁判は、すべてが、台本附きのものなのだ。

実際に、ネップの後の資本主義の復活を願う運動や、そのための生産阻害はあったし、その参加者達が、被告として登場するのだから、そういう意味では真実かも知れないが、「産業党」なる中央司令部はなかったし、裁判自体が、スターリンの演出によるものだった。

こうして、群衆は、動員されて、プロパガンダに利用された。

セルゲイ・ロズニツァは、当時のアーカイブ映像を屈指して、再編成したのだ。こうして、群衆は騙される、と。

 

高等遊民は、素朴なのです。簡単に騙されるところだった。映画のパンフを買って良かった。

もう、こういう政治性からは、足を洗わないと行けない。

あえて、総括すると、やはり民主主義だな。自分の意見が間違っているかも知れないという自覚、他者の意見を聞く姿勢、対話での解決。