2月25日(木) MOVIX橋本

平成27年10月歌舞伎座公演

出演

  坂東玉三郎(阿古屋) 尾上菊之助(代官秩父庄司重忠) 阪東彦三郎(岩永左衛門)

 

久しく、シネマ歌舞伎から遠ざかっていた、というか時間が合わなかったけど、やっと今般時間が取れて、かの有名な『阿古屋』が上映されるというので、行ってきました。去年の11月に『三人吉三』を観たかな。

ガラガラで・・。

 

『阿古屋』という歌舞伎演目は、平家の悪七兵衛景清が、まだ京でお盛んな頃に懇意になった遊君阿古屋と、良い仲になったが、源氏に京を追い落とされてから、源氏方は景清を探しているという背景で、阿古屋を問い詰めて、行方を白状させようとする。そこでお決まりの拷問をするが、白状しないために、代官の館に召し出されて、そこで代官が命じる「拷問」とは。

岩永は実力の身体責めを主張するが、代官重忠は、まず、阿古屋に琴を弾けと。

琴の後、そもそものなり染めを聞く。

次いで、三味線を弾けと。

三味線を弾いた後、別れの様子を聞き、話す。

更に、胡弓を弾けと。

このいずれも乱れがないので、阿古屋の知らぬと言うコトバに偽りなしとして、解放する。

 

この舞台の中心というか、女形の難曲と言われるのは、琴、三味線に胡弓を、自ら、演奏せねばならない。しかも、一通りの演奏ではなくして、後で、代官重忠が乱れがないという様なモノでなければならないから、しっかりと、まあ、上手に演奏せねばならない。

やっと、去年辺りから、2人の若手女形に稽古を付けるようになったらしいが、この映画撮影当時は、玉三郎しか出来ない、と言われていた。

確かに、演奏は上手で、素人だから良く解らないけど、琴、三味線はともかく、胡弓は素晴らしかった。

この玉三郎の技芸能力を観に行く歌舞伎なんでしょう。ストーリーよりも。

胡弓はあまり馴染みがない。が、演奏法も含めて、珍しい。唐風で。

 

シネマ自体は、劇場の撮影だけではなくて、お稽古風景やら、本番の舞台裏まで映し出されていて、この点でも興味を引いた。

 

今シーズンのシネマ歌舞伎は、この2月で終わり。来シーズンも、月イチ歌舞伎で、5月から再来年の2月まで。いくつか観たいモノもある。注視しましょう。

ワタクシは、歌舞伎の舞台を忠実に撮影した物が好き。