2月20日(土) 横浜能楽堂

講演 馬場あき子

(休憩)

能 『班女』 (喜多流)

  シテ(花子)香川靖嗣 ワキ(吉田少将)森常好 アイ(野上の宿の長)山本泰太郎

  笛:松田弘之 小鼓:観世新九郎 大鼓:亀井広忠 地頭:長島茂

  面:前も後も・万媚(岩崎久人作)

 

馬場あき子歌枕の旅、全5回の最終。4回目はサボったので、4回出席。

毎回毎回、馬場あき子さんの講演が素晴らしい。あのお歳で、シャキッとして、ぶれないで、自分の手書きのレジュメを用意されて。

今回も、美濃国野上の宿を取り上げて。関ヶ原の辺り。

遊女、花子と言うが、教養はたっぷりだから、遊女、売女のイメージはない。漢詩も解るし、和歌も解る。そういう女子じゃあないと、遊女にはなれない。もちろん、謡も舞も。良いなあ。

 

能『班女』、2回目。2019年7月に、国立能楽堂で宝生流。その時のプログラムがあるから、持参。詞章が書いてある。

吉田の少将が、東下りの際に、野上の宿で遊女花子と会って惹かれ合い、扇を遣り取りする。それで花子は惚れてしまって、他の客を取らないから追い出される。吉田の少将が京への帰りに野上の宿に寄るけど、花子はもういない。京で会おうと言い置いて、帰ると、糺すの守で狂女と出会って、舞を観て、扇を見交わすと、花子に違いない、めでたしというお話し。

狂女って何かな。狂った女子、舞姫のことかな。舞を見せる遊びめかな。

 

能の全体は、これぞ THE能 という感じの、謡と舞の連続。他流は中ノ舞らしいが、喜多流は序ノ舞。何が違うのか良く解らないけど、序ノ舞は、静かな、優美な舞らしい。序破急の序。

その舞の美しいこと。

謡も素晴らしい。

扇を見せ合って、花子と吉田の少将とわかり合えて、再会の喜びに浸って、お終い。

班女とは前漢のお話で、班のしょうよという女子。前のブログに書いてある。

そういう教養と知識が無いと解らないお話しなのだけど、こちとらは無教養なので、馬場あき子さんの解説により、やっと何となく解る。高等遊民でも、如何にしても、無理。

 

面の「万媚」って知らないけど、なかなかの面で。岩崎さんは、展覧会にも行ったことがある面師で。現代の作者。これもよろしい。

 

馬場あき子さんの解説にも触発され。

能『班女』は、吉田の少将と遊女花子との出会いと再会のお話し。

狂言『花子』は、野上の宿で会った花子が、男を追って京に来て、男が妻の目を盗んで花子と会ったが、バレて酷い目に遭うお話し。

もう一つ、能『隅田川』は、吉田の某の子である梅若丸が、人買いにさらわれて、しかし、隅田川を渡った辺りで死んでしまって、母親がそれを訪ねる話。母親の名前は出てこない。

実際に、吉田の少将は、若くしてモテて、死んでしまったのだから、何となくこの3謡曲はつながるか。

 

なにやら、楽しい気がする。謡曲が。